ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

映画史おまけ

2007年06月13日 | 生き物 自然


こちらの映画史だけを話していたので、次は、Yの方
で何か面白いものはないのかということになったのだ
が、その見てる数は凄いのだが、特別面白いエピソー
ドはその割りに無いようだ。
典型的なマニアだから、行動もその範囲内ということ
らしい。
つまり、例えば、連続長時間見続けたとか、そんな話
には事欠かないのだが、横の広がり、文化的な広がり
に欠けるようなのだ。

「ところで、クロサワについてはどうなの」(私)
「いや、それなりにいいとは思いますが、世間で言わ
れているほど凄いとも思いません」(Y)
「個人的には、娯楽作品の監督としては偉大だと思う
けど、それ以外のはあまりいいとは思えないんだよね、
主にカラー以降の作品に関してだけど」(私)
「僕は逆に、娯楽作品よりそっちの方です評価するの
は」(Y)
「どうせ、<どですかでん>辺りが特に好きなんだろ
う?」(私)
「いいですね、最高ですよ」(Y)

局部を拡大解釈というか、過大評価する傾向があるY
ならではの志向(嗜好)、その辺はよく判る。

「<七人の侍>なんて長過ぎますし、<用心棒>も特
別面白いとも思えません」(Y)
「よくできてると思うよ、両方とも、世界にあれだけ
影響したのもその出来の良さがあったからでしょ」(私)
「今ならスピルバーグとか」(Y)
「そう、それになんか二人は似てるよ、受け入れられ
方が」(私)
「二人とも大監督、ということですか」(Y)
「出だしが娯楽作品で、その後社会派或いは芸術系、
芸術系は特にクロサワだけど、そういう映画に手を出す
という経緯も」(私)
「しかし、その娯楽作品と言われるものが面白くない
んですよ」(Y)
「<椿三十郎>とか<天国と地獄>とか<悪いやつほ
どよく眠る>とか、面白いよ」(私)
「そうですかね、それよりよくできていると言うのは
どういうことですか」(Y)
「色んな要素があるけど、まずテンポが良いというの
があるだろう、そして話の筋に無理が無い、よくいう
リアリティとかいうやつだよ、そしてその話の盛り上
げ方の上手さ、そんなところじゃないの」(私)
「そういうポイントを両者ちゃんと抑えていると」(Y)
「と思うけど、今更ながらだけど代表的なスピルバー
グの映画ってなんだっけ?」(私)
「<未知との遭遇><E.T>ですか」(Y)
「そういえば、両方見てないわ」(私)
「じゃあ、スピルバーグがどうのっていう問題じゃな
いような気がするけど」(Y)
「確かに、正直に言うと<激突>くらいかなちゃんと
見てそれなりに面白いと思ったのは」(私)
「結局スピルバーグって好きなんですか」(Y)
「全然、それに好きとは一言も言ってないよ」(私)
「...。」(Y)
「世間で評価されている理由を想像しただけで、個人
的には、飽くまでも二人は娯楽作品の偉大な監督で、
偉大な作家ではないと」(私)
「ほう、そういうことですか」(Y)
「クロサワは小津でもないし、森一生でもないという
ことや」(私)
「本人の資質が作品を決定すると」(Y)
「いいこと言うね、その通り」(私)
「でも<どですかでん>は良いですよ」(Y)
「またそれか、武者絵的色彩感覚がその後のクロサワ
の特徴と考えると、<どですかでん>が記念碑的作品
と位置付けられると言うのは、映画史的には正しい、
ってそんなことはどうでもええは、それよりそろそろ
この会話終わらせないと、いつまでたってもだらだら
いきそうだよ」(私)
「それはそれでいいんじゃないですか」(Y)
「でも、もう疲れた」(私)
「じゃあ、帰りますわ」(Y)
「ア.ビアント」(私)
「Au revoir」(Y)
フランス映画か。

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