ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

二人のシド

2008年11月17日 | 音楽


スノッブなM氏が、車でかかっていたテープ(いまだ
に音源はカセットテープだ)の曲に反応した。

「このカントリーっぽい曲、誰?」(M氏)
「カントリーじゃないけど、確かにそんな感じはする
ね、ベックだよ」(私)
「ベック?」(M氏)
「そう、ジェフ.ベックじゃなくてただのベック」(私)
「あの、黒人の」(M氏)
「違う違う、完全に白人の」(私)

どうも、誰かと勘違いしているようだ。

「最近と言っても、この十年ほどだと思うけど、結構人
気あるよ、要するに知らないわけね」(私)
「まあ、ジミヘン世代だから」(M氏)
「今はロック系なんて聴かないだろうし、無理もない
けど、このベックは、今の連中にとっては新しい音楽
として受け取られているるようだよ、想像するに」(私)
「我々からすると、単に懐かしの音楽って感じだけど
ね」(M氏)
「このアルバムは、特にアコースティックばかりだか
らそういう感じがするけど、他のは、もっとパンクっ
ぽいようなロックロックした曲だよ、と言ってもそん
なに知ってるわけじゃないけど」(私)
「これなんか、ピンクフロイドだよ」(M氏)
「そう言われると、確かにピンクフロイドだ」(私)
「プログレっぽさが、今の連中にとっては、当時と同
じく新しいということになるのかな」(M氏)
「そんなところじゃないの」(私)

「ところでシド.ヴィシャスはメンバーだったの」(M氏)
「えっ、シド.ヴィシャス?」(私)
「だから、ピンクフロイドのアルバムには参加してた
の?」(M氏)
「それを言うなら、シド.バレット、シド.ヴィシャス
は、甥っ子のところの犬の名前の元になった、セックス
ピストルだよ、因みにビーグルだけど」(私)
「ああ、そうか、よく知らないから」(M氏)
「しかしこのベックのボーカル、シド.バレットっぽ
いところもあるね、もっと病的な感じにすればより似
るけど、この辺のポップな感じで止めてるから良いん
だと思うよ、シド.バレットまで行くと重すぎるんじゃ
ないかな、個人的にはそれが良いんだけど」(私)
「適度な軽さは、今の音楽全般に通じるんじゃないの」
(M氏)
「それは言えるね」(私)

と、嘗てのロック世代の話は、とりとめもなく続くの
である。
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