今年は、柿の当たり年らしく、周辺のどの柿もオレンジ
の実がたわわに実っている。
重量があるので、本当にたわわという感じである。
家の庭の柿も例外ではない。
本来なら、喜ばしいことだろう。
確かに、見てる分には秋の風物詩としても楽しめ、ああ
収穫の秋か、と感慨に耽る、なんてことにもなるかもし
れない。
ところがだ、それを取らないといけない立場からする
と、そんなことは言ってられない。
おいおい出来すぎだぞ、と嘆息するのである。
しかも、渋柿ときている。
というわけで、高枝切りバサミを使い、渋柿を収穫し
た。
毎年のことではあるが、非常に面倒くさい。
しかも、今年はこの量である。
高枝切りバサミで七八個実った枝を切ると、結構な力
が手元にかかる。
一つ一つやれば良いのだが、早く終わらせたいがため、
まとめて切ろうとするのは、止むを得ない。
一つ一つでは、それこそ気が遠くなる。
しかも、上を向いての作業。
これも、結構疲れる。
家の場合、屋根に上って作業できるから、脚立を使う
作業よりはまだ楽かもしれないが、その分、屋根にた
まった葉っぱの撤去や、樋に詰まった葉の除去とか、
余計な作業がある。
要するに、どっちもどっちである。
新しい枝は、どんどん切っていく。
何故かというと、木全体を小さくしたいから。
要するに、実があまりできないことを望んでいるのだ。
なんだか、ネガティブな作業であるが。
ご存知のように(知らない人のほうが多いと思うが)、
柿というのは脆く、切る作業は他のものに比べると、
かなり楽だ。
よく、森を守るために、間伐なり、下枝を切るなどと
いう作業があるが、あれを手作業でやると、相当な重
労働だ。
柿でよかった、などと思いながら調子に乗って切り出
すと、それこそ柿の木そのものが消滅しそうだ(それ
でも良いが)。
何とか終わり、野鳥用の実を少し残した柿は枝ばかり
となり、そこだけもう冬景色であった。
今日は、寒くなかったのがせめてもの救いだ。