経済なんでも研究会

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恒大ショックの 勘どころ (下)

2021-09-29 08:23:19 | 中国
◇ ドル建て債務の返済は後回し? = 北京政府が恒大集団を救済しようと思えば、簡単にできる。金融機関に追加融資を命令すればいい。だが2つの理由から、この方法は取れない。1つは不動産バブルの抑制が困難になること。もう1つは、国民の間から「富裕層を助けるのか」と反発の声が上がるからだ。特に習近平主席が「共同富裕(貧富の格差是正)」のスローガンを掲げているいま、安易な救済は難しい。では、どうするか。

最も可能性が大きい対策は、こうだろう。まず恒大集団が保有する土地や建物、株式や債券を売り払い、返済に充てる。それが出来なくなったら、資産を細かく分割して、地方政府や国有企業に買い取らせる。その結果、恒大集団は消滅するが、事業の多くは形を変えて継続される。連鎖倒産も、かなり防げることになるだろう。

だが、それで一件落着というわけにはいかない。恒大集団のドル建て債務は約2兆1000億ドル。ほとんどは海外投資家が保有する社債と株式だが、その利払いや元本償還は後回しにされる公算が大きい。すると欧米の中小金融機関のなかには、経営困難に陥るところが出てくるかもしれない。また中国国内で、別の不動産会社が行き詰まる可能性もある。なにしろ1-6月期には、不動産を中心に約2兆円のデフォルト(債務不履行)が発生しているのだ。

他の不動産大手が経営不振に陥ったとき、習政権はどうするのか。この点については、非常に不鮮明な解説が飛び交っている。それは「恒大集団は共産党のなかで習近平氏と対立する勢力に近かった」という指摘。もしそうなら、次に行き詰まる企業が習氏に近ければ救済されることになる。だが、この点に関する真実は藪の中だ。

        ≪28日の日経平均 = 下げ -56.10円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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