経済なんでも研究会

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景気後退への 注意報 : 日銀短観

2023-04-04 07:37:48 | 景気
◇ 23年度の純利益は3.8%の減少へ = 日銀は3日、3月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はプラス1で、昨年12月調査に比べて6ポイントの悪化だった。業種別では石油・石炭がマイナス46で13ポイントの悪化、電機がプラス3で15ポイントの悪化、自動車がマイナス9で5ポイントの改善などとなっている。悪化の原因は原材料・エネルギー価格の高騰、欧米諸国の金融引き締め。自動車は部品供給体制の回復で改善した。

大企業・非製造業はプラス20で1ポイントの改善。コロナ規制の解除やインバウンドの復活が、全体を下支えした。業種別では小売りがプラス18で10ポイントの改善、情報サービスがプラス42で2ポイントの改善、対個人サービスがプラス24で4ポイントの改善。宿泊・飲食サービスは0で前回と変わらずだった。宿泊・飲食サービスは、人手不足が改善を妨げている。

3か月後の予想をみると、大企業・製造業はプラス3で2ポイントの改善、大企業・非製造業はプラス15で5ポイントの悪化。物価高・人手不足・規制解除の効果一巡に加えて、世界経済の低迷が重荷となってくる。この結果、22年度と23年度の純利益は大企業・製造業が6.5%の増益から6.1%の減益へ。大企業・非製造業は22.7%の増益から5.5%の減益へ。全規模・全産業でも10.5%の増益から3.8%の減益へと悪化する見込みだ。

内閣府が発表した昨年10-12月期のGDP改定値は年率換算で0.1%、速報値の0.6%から大きく下方修正された。短観の結果から推測すると、1-3月期のGDPも拡大はムリ。下手をすると、マイナスに落ち込む可能性も小さくはない。世界経済が明らかに下降線をたどり始めたなか、政府は114兆円にのぼる巨大予算を編成した。だが成長部門への支出が少ないため、企業は先行きに明るさを感じ取れない。日銀の短観は、景気後退への注意報だと読み取れる。

        ≪3日の日経平均 = 上げ +146.67円≫

        ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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