◇ 景気後退は敵か味方か = シリコン・バレー銀行の倒産に端を発した金融不安は、どうやら収束したようだ。このため先週のニューヨーク市場では、株価が大幅高を演じている。だが連鎖倒産などの危険性はなくなったが、その副作用はまだ色濃く残っている。たとえば株式市場では銀行、保険などの金融株が売られたまま。金融機関の企業に対する融資態度も、にわかに厳しさを増した。市場はこの副作用をどう評価するのか。
金融不安の最中だったにもかかわらず、FRBは利上げを継続した。これで政策金利は年5.0%に。景気を抑制する力は、一段と強くなった。そこへ金融不安の副作用が加わる。このため「ことし後半には景気後退入り」という見方が、急速に広まった。と同時に市場では「ことし後半に利下げ」の期待も急速に強まり、株価を押し上げた。
FRBは金融不安に対処するため、金融機関に対して巨額の資金を貸し出した。結果的には、これが量的緩和と同じ効果を挙げ、株価の上げ要因となった。しかし金融不安の収束でこの措置は終了、FRBは再び量的引き締めに戻る。市場としてはやはり警戒せざるをえない。リスク回避の動きが高まり、資金は債券、金、MMFなどに移動しつつある。
金融不安の収束が、株式市場にとってプラス材料だったことは確か。だが同時に、景気後退の影が間近に迫ってきた。これでFRBの利下げが早まればいいが、企業の業績が悪化すれば株価にとっては打撃となる。その境目は、景気後退の深さと長さによって決まる可能性が大きい。ニューヨーク市場は、いまその見極めを迫られた形。実体はどちらに転ぶのか、市場は分水嶺に立たされている。
≪4日の日経平均 = 上げ +99.27円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
金融不安の最中だったにもかかわらず、FRBは利上げを継続した。これで政策金利は年5.0%に。景気を抑制する力は、一段と強くなった。そこへ金融不安の副作用が加わる。このため「ことし後半には景気後退入り」という見方が、急速に広まった。と同時に市場では「ことし後半に利下げ」の期待も急速に強まり、株価を押し上げた。
FRBは金融不安に対処するため、金融機関に対して巨額の資金を貸し出した。結果的には、これが量的緩和と同じ効果を挙げ、株価の上げ要因となった。しかし金融不安の収束でこの措置は終了、FRBは再び量的引き締めに戻る。市場としてはやはり警戒せざるをえない。リスク回避の動きが高まり、資金は債券、金、MMFなどに移動しつつある。
金融不安の収束が、株式市場にとってプラス材料だったことは確か。だが同時に、景気後退の影が間近に迫ってきた。これでFRBの利下げが早まればいいが、企業の業績が悪化すれば株価にとっては打撃となる。その境目は、景気後退の深さと長さによって決まる可能性が大きい。ニューヨーク市場は、いまその見極めを迫られた形。実体はどちらに転ぶのか、市場は分水嶺に立たされている。
≪4日の日経平均 = 上げ +99.27円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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