経済なんでも研究会

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パウエル発言の 真意を読む

2023-08-29 08:01:45 | アメリカ
◇ 少なくとも9月は利上げする? = 「パウエルFRB議長は、いったい何を言いたかったのだろうか」--ニューヨーク市場では、まだ頭をひねっている人たちが多い。別に金融技術用語を並べ立てて、難解だったわけではない。逆に平易な言葉で常識的すぎる説明をしたために、真意が汲み取りにくくなってしまった。パウエル議長は「適切ならば、さらに利上げする用意がある」と述べる一方で「景気動向も慎重に見極めて行く」とも言明した。金融引き締めを継続するのか、それとも早めの解除を考えているのか。

ジャクソンホールで25日に行なったパウエル議長の講演。内容が伝えられたとき、ダウ平均株価は大きく値を下げた。しかし株価はすぐに反発。終り値では250ドル近く上昇した。これは市場が最初は「引き締めの継続」と受け取り、そのあとは「そうでもない」と解釈したことを示している。だが、その迷いは今週になっても続いているようだ。

パウエル議長は「インフレ率はいぜんとして高すぎる」「引き締め的な金融政策が、ますます重要な役割を演ずる」とも述べている。こうした発言からみれば、やはり引き締めの継続を市場に伝えたかったのではないか。すると少なくとも9月の利上げは避けられない。年内の利下げは完全に消滅した。こうした見方が、市場では強まって行きそうだ。

このため当面は、株価も調整色を強める。あるいはすぐに織り込んで、再び上昇軌道に乗る。そのどちらが優勢になるかは、物価と雇用の動向、企業の業績が決めることになるだろう。ジャクソンホール会議でECB(ヨーロッパ中央銀行)のラガルド総裁は「まだインフレに勝てていない」と言い切った。パウエル議長もそう言いたかったが、優しくオブラートに包んで表現したと解釈しておきたい。

        ≪28日の日経平均 = 上げ +545.71円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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