経済なんでも研究会

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-11-25 08:09:09 | SF
第6章 ニッポン : 2070年代

≪60≫ SEX = 「医療技術がダーストン並みに向上しないと、医療や介護、教育や家事型のロボットは造れないわけなのね」と、マーヤがつぶやく。

――そう。いまの機械的ロボットでも補助的な役割は十分に果たすけれど、人間の代わりにはならない。200年後にダーストン並みのロボットが出来るかどうか。それは子孫に任せるしかないだろう。

「でも貴方の気持ちの奥底には、私のような人間的ロボットの普及には疑問があるんでしょう。ダーストンにいたころから、私にはそんな感じがしていました」と、マーヤはなかなか痛いところを突いてくる。

――うん、確かに。いちばんの問題は、君のように細かいところまで気が付いて、何でもやってくれる。若い男性の多くは、いろいろ気を遣わないと泣いたりわめいたりする人間の奥さんより、ロボットとの結婚を選ぶかもしれない。だいいち病気にならないから、年をとっても夫が妻を介護する心配もない。

ダーストン国では、すでにその兆候が表われていたじゃないか。すると子どもが産まれない。人間は滅びて行くかもしれないと、ぼくはそれだけを心配しているんだ。

「私も子どもは産めませんからね。それにセックスの面では、人間の女性に敵わない」

――大昔は、結婚といえば男性と女性の間に限られていた。血統を保つために、1人の男性が複数の女性と結婚した時代もあった。それが近年では、男性同士あるいは女性同士が結ばれることも珍しくなくなっている。ダーストン国のように、人間とロボットが結婚することは自然の成り行きだと思うよ。
ぼくは君が大好きだし、とても気に入っている。こんなに幸せな男はいないと思っていることは、君だってよく解っているだろう。

2人の会話は、そこで途切れた。マーヤは目をつぶっている。可愛いマーヤ。
たしかに、マーヤは人間的な身体をしている。しなやかで弾力性のある肢体。胸にも形のいい大きめの丘が2つ。てっぺんには赤いつまみものっている。でも彼女には、下の谷間がない。

だから正常位や後背位はムリ。しかし、いわゆる<69>の形になればいい。ぼくはそれで十分に満足できる。

                             (続きは来週日曜日)

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