◇ 一党独裁でも子どもは増やせない? = 「このままだと、22年にも人口は減少に転じる」「極端な少子高齢社会に突入する」--いま中国では、こうした専門家の警告が大々的に報じられている。1979年に始めた“一人っ子政策”の悪影響が、ここへきて一気に出始めた。このため習近平政権は7月、3人目の子ども出産に対する罰金を廃止、子育て環境を改善するための総合政策を策定することになった。
中国の人口は、いま14億人を超えている。1981年には10億人に達したが、その当時の政権は食料不足などを心配して、人口の増加を抑えることになった。それが“一人っ子政策”である。2人目の出産は罰金や強制手術などで、厳しく抑え込んだ。その後16年からは2人目までを認めたが出生数は増加せず、20年の出生数は1200万人。前年より18%も減少している。
そこで今回は、3人目の出産まで認めることになった。しかし“一人っ子政策”で減少した子たちが、いま子どもを産む年代を迎えている。だから基本的に母数が小さくなっている。加えて結婚や子育ての環境が、きわめて悪くなった。不動産価格の高騰で、結婚するのに住宅が取得できない。教育費がかさみ、とても複数の子どもは育てられない。保育所の数が足りない・・・。
習政権は、保育サービスの拡充・教育の公平性・教育費の軽減など、少子化の進行を食い止めるための総合政策を策定する方針。一党独裁の国家だから、その実現は可能かもしれない。だが実効が上がるかは、きわめて疑問とみる専門家も多い。一人っ子に慣れた社会は、急に生活スタイルを変えられないとみるわけだ。それに結婚・出産は、いかに中国でも強制は不可能だと思われる。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 = 上げ +182.36円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
中国の人口は、いま14億人を超えている。1981年には10億人に達したが、その当時の政権は食料不足などを心配して、人口の増加を抑えることになった。それが“一人っ子政策”である。2人目の出産は罰金や強制手術などで、厳しく抑え込んだ。その後16年からは2人目までを認めたが出生数は増加せず、20年の出生数は1200万人。前年より18%も減少している。
そこで今回は、3人目の出産まで認めることになった。しかし“一人っ子政策”で減少した子たちが、いま子どもを産む年代を迎えている。だから基本的に母数が小さくなっている。加えて結婚や子育ての環境が、きわめて悪くなった。不動産価格の高騰で、結婚するのに住宅が取得できない。教育費がかさみ、とても複数の子どもは育てられない。保育所の数が足りない・・・。
習政権は、保育サービスの拡充・教育の公平性・教育費の軽減など、少子化の進行を食い止めるための総合政策を策定する方針。一党独裁の国家だから、その実現は可能かもしれない。だが実効が上がるかは、きわめて疑問とみる専門家も多い。一人っ子に慣れた社会は、急に生活スタイルを変えられないとみるわけだ。それに結婚・出産は、いかに中国でも強制は不可能だと思われる。
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