経済なんでも研究会

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中国の安売り輸出が 大問題に (下)

2024-05-24 07:35:34 | 中国
◇ 補助金→生産増→安売り→輸出増 = いま中国は不動産不況に悩んでいるが、鉱工業生産だけは順調に増加している。だが主要製品の生産は過剰で、価格が下がっていることも事実。たとえば4月の卸売り物価でみると、鉄鋼の価格は前年比8.1%の下落。4月の消費者物価でみると、自動車は4.3%、スマホは2.9%の下落となっている。しかし価格が下落しても、生産は衰えない。政府が補助金を出して、増産を奨励しているからである。

国内で余った生産物は、輸出に出口を求める。たとえばEV・太陽光発電・リチウムイオン電池の3月の輸出額は106億ドル、3年前の2倍以上になった。自動車の4月の輸出は90万4000台、前年比34%の増加だった。自動車について言えば、23年は491万台を輸出、日本を抜いて世界首位になった。さらに業界は25年に3600万台の生産を計画しているが、国内での販売は1700万台にとどまると推計している。半分以上が輸出に回ることになる。

習近平政権は経済政策の基本に、生産力の増強を挙げている。この目的のため、09-22年の間に、総計1700億ドル(約255兆円)の補助金を支出した。これで主力製品を増産、輸出に安売り攻勢をかけるという構図が定着しつつある。もちろんEVだけではない。たとえば太陽光発電パネルは、IEA(国際エネルギー機構)によると、ことし中に供給量が需要量の3倍に達する見通し。その原因は中国の生産過剰だという。

日本に対する影響も、きわめて大きい。まずEVや太陽光パネルなどが、安値で入ってくる。日本のメーカーは防戦に必死となるだろう。また東南アジアや中南米などの市場でも、安い中国製と闘わなければならない。自動車の状況をみると、すでにタイでは中国製EVに日本車が食われ始めている。日本政府は傍観していていいのだろうか。

        ≪23日の日経平均 = 上げ +486.12円≫

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


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