経済なんでも研究会

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将来が見えない 所信表明演説

2022-10-04 08:33:28 | なし
◇ 問題点の羅列に終始 = 岸田首相は3日に召集された臨時国会の冒頭、恒例の所信表明演説を行なった。世界経済がインフレと不況に向かうなか、どのような対策を講じるのか。国民は大きな関心を持って聴き入ったが、具体的な施策はほとんどなし。問題点の羅列に終わった感じが強い。まるで各省庁の予算要求項目を並べ立てたようだった。そして肝心な具体策は、これから専門家が検討するというのだから、はなはだ心許ない。

物価高と円安、賃上げと持続的成長など、経済問題で取り上げた項目は多岐にわたった。だが、そのなかで具体的な施策の内容に触れたのは、インバウンド観光で年間5兆円の収入を目指すこと。それに人への投資としてリスキリング(学び直し)に5年で1兆円を投じることの2点だけ。高騰する電気料金については「前例のない対策を講じる」と述べるにとどまった。

物価高と円安についての対策は、年末までに「総合経済対策」をまとめる。エネルギー安定供給についても、専門家が年末までに結論を出す。持続的な成長戦略や食料の安定的な確保については、どうするのか。言及はなかった。要するに、みなこれからの検討を待つというわけだ。だから今回の所信表明演説では、日本の将来像は全く見えてこない。

奇しくもきょう4日で、岸田内閣は2年目に入る。この1年、ウクライナ戦争や物価騰貴など、日本を取り巻く環境はずっと厳しかった。それなのに、なぜもっと早く対策を検討しなかったのか。さらに国民がいちばん関心を持っている「所得倍増計画」や「新しい資本主義」は、どこへ行ってしまったのだろう。これでは内閣の支持率は上がらない。

        ≪3日の日経平均 = 上げ +278.58円≫

        ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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