経済なんでも研究会

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哲学がない ‟開国”宣言 (下)

2022-02-18 07:41:15 | なし
◇ 国民を惑わす政策に = アメリカをはじめ多くのヨーロッパ諸国、それにオーストラリアやカナダは、すでに外国人の入国を解禁している。さらに最近は東南アジア諸国も、次々と‟開国”し始めた。たとえばフィリピンは10日、ワクチン接種を条件に隔離なしの入国を認めた。マレーシアやタイも、近く同様の措置に踏み切るという。こうしてみると、安倍元首相が言うように「日本の出遅れ」は明かだ。

‟開国”した国の多くは、その理由を明らかにしている。それは「オミクロン株は重症化率や死亡率が低いから、それほど警戒しすぎる必要はない」「国内の感染者が多いから、いまさら水際で防いでも意味がない」という論理。つまりオミクロンと共存する道を選ぶことによって、経済の再生を優先する。だからビジネスであろうが観光目的であろうが、外国人を歓迎するというわけだ。

だが日本の場合、この論理は通用しにくい。オミクロンによる死亡者数は急激に増加しており、医療の逼迫が心配されている。36都道府県には「まん延防止措置」が適用中。アメリカ国務省は、日本を「渡航中止を勧告する国」に指定した。こんな状況の下で‟開国”が宣言されたら、国民は戸惑うに違いない。

すでに‟開国”した国々は、国内の規制も解除する方向にカジを切っている。「コロナと共生する」という哲学が貫かれているわけだ。日本もいずれ、そういう時期を迎える可能性は大きい。しかし少なくとも「まん延防止措置」が発令されているうちは、ムリである。右手で消火器を操作し、左手でガソリンをまくようなことになってしまうからだ。それでも3月に‟開国”宣言をする理由が「要求する声が強いから」では、国民の納得は得られない。

        ≪17日の日経平均 = 下げ -227.53円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


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