◇ 単年度の措置では効果なし = 大幅な賃上げが実現すれば、消費が増えて経済が上向く。つまり‟分配”を増やすことによって、経済は‟成長”する。--岸田首相の持論である。先日の所信表明演説でも「給与を引き上げた企業を支援するための税制を抜本的に強化する」と強調していた。その具体的な内容が固まり、22年度の税制改正大綱に明記される。だが、その効果はきわめて疑わしい。
大企業については、継続して雇用する人の給与総額を3%以上引き上げる企業が対象。まず給与増加分の15%を法人税から差し引く。さらに4%以上引き上げた場合には、25%相当分を差し引く。加えて教育訓練費を20%以上増やせば、5%を上乗せして差し引く。したがって大企業の場合は、最大で給与増額分の30%が法人税から差し引かれることになる。
中小企業については、まず1.5%以上の賃上げで給与増額分の15%を減税。さらに2.5%以上の賃上げなら、30%を減税。加えて教育訓練費を10%以上増やせば、減税分が10%増える。つまり中小企業の場合は、最大で給与増額分の40%が法人税から差し引かれることになる。ただ中小企業は、赤字で約6割の企業が法人税を払っていない。こうした企業が賃上げした場合は、ものづくり補助金などを増額して対応する。
一見すると、魅力的な政策のように思える。しかし最大の欠点は、この優遇税制が22年度だけに適用されること。企業にしてみれば、23年度になったら賃下げするというわけにはいかない。だから飛びつく企業は、ほとんどないのでは。それよりも政府は企業が賃上げできるように、景気を良くすることを考えた方がいい。やはり「分配⇒成長」ではなく、「成長⇒分配」なのではないか。
≪8日の日経平均 = 上げ +405.02円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
大企業については、継続して雇用する人の給与総額を3%以上引き上げる企業が対象。まず給与増加分の15%を法人税から差し引く。さらに4%以上引き上げた場合には、25%相当分を差し引く。加えて教育訓練費を20%以上増やせば、5%を上乗せして差し引く。したがって大企業の場合は、最大で給与増額分の30%が法人税から差し引かれることになる。
中小企業については、まず1.5%以上の賃上げで給与増額分の15%を減税。さらに2.5%以上の賃上げなら、30%を減税。加えて教育訓練費を10%以上増やせば、減税分が10%増える。つまり中小企業の場合は、最大で給与増額分の40%が法人税から差し引かれることになる。ただ中小企業は、赤字で約6割の企業が法人税を払っていない。こうした企業が賃上げした場合は、ものづくり補助金などを増額して対応する。
一見すると、魅力的な政策のように思える。しかし最大の欠点は、この優遇税制が22年度だけに適用されること。企業にしてみれば、23年度になったら賃下げするというわけにはいかない。だから飛びつく企業は、ほとんどないのでは。それよりも政府は企業が賃上げできるように、景気を良くすることを考えた方がいい。やはり「分配⇒成長」ではなく、「成長⇒分配」なのではないか。
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