経済なんでも研究会

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“原発の時代”は 終わった! (上)

2019-02-20 08:11:05 | 原発
◇ 廃炉決定・検討中は26基に = 九州電力は先週、玄海原発2号機(佐賀県)を廃炉にすると発表した。玄海2号機の出力は55万9000KWと小型。1981年3月に稼働したが、東日本大震災後は運転を停止していた。廃炉にする理由は、震災後に強化された安全基準を守るための費用が掛かり過ぎるため。老朽年数を考えると、再稼働させても採算が取れないと判断した。九州電力によると、廃炉に必要な費用は365億円。

東日本大震災の前、日本には54基の商業用原発が存在した。そのうち福島第1原発を含め、玄海2号機までで計26基が廃炉を決定もしくは検討している。残りは28基だが、これまでに原子力規制委員会の審査に合格したものが15基。うち再稼働しているのは9基、残りの13基が審査待ちというのが原発の現状である。

日本には商業用原発のほかに、原子力開発研究機構などが保有する研究用の原発もある。たとえば高速増殖炉もんじゅ(福井県)や東海再処理施設(茨城県)など。これらも結果的に失敗したり、老朽化したりして、多くが廃炉の決定を下された。原子力技術の喪失を心配する声もあるが、後継機を造る計画はいまのところない。

原発の新設は、きわめて困難な情勢だ。したがって商業用原発で審査を待っている13基がすべて合格したとしても、日本の原発は最大限28基という計算になる。だが審査で不合格になったり、老朽化が進んだりして、実際に稼働する原発はもっと減るに違いない。原発に賛成・反対の議論を飛び越えて、現実は“原発の時代”の終わりを告げていると言えるだろう。

                           (続きは明日)

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