経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

株は まだ下がる! (上)

2020-03-10 08:39:15 | 株価
◇ 日経平均は1年2か月ぶりに2万円を割った = 日経平均のことしの高値は、1月20日に付けた2万4084円だった。それから50日、この間に株価は4300円も下落している。昨年秋から景気が下降し始めたのに加えて、新型コロナ肺炎の影響が追い討ちをかけた。下げがきつかっただけに、市場では「そろそろ底入れか」という期待の声も聞かれないではない。しかし、その期待はちょっと甘そうだ。

株価は大幅に下落したが、必ずしも直線的に下げたわけではない。大きく乱高下しながら下落した。これは金融緩和政策によって豊富な資金を手中にした投資家が、何か好材料が出ると活発に買ったからである。確かに反発力は強いので「底入れ近し」という見方も出てくるのだろう。こうした底入れ期待派のなかには、SARSの経験を重視する人も多い。

SARS(重症急性呼吸器症候群)は今回のコロナ肺炎とよく似たウイルスが惹き起こす伝染病で、02年11月から03年7月にかけて流行した。中国南部で発生し、37か国で8000人以上が罹患。900人以上が死亡している。このとき世界の株価は、流行がピークを過ぎた03年4月から反騰に転じた。

最近、中国では感染者の増加数が激減。このためコロナ肺炎は流行のピークを過ぎたのではないかという憶測も流れ始めた。しかし確認はされていない。その一方で感染者は全世界に広がり、WHO(世界保健機構)によると、感染者数は10万人を超えた。SARSの10倍を超える猛威を振るっており、たとえ中国での流行がピークを過ぎたとしても、世界での感染者はまだ増えて行く。したがってSARSの経験は、どうやら役に立たない。日経平均は2万円を割り込んだが、まだ下がる。

                            (続きは明日)

       ≪9日の日経平均 = 下げ -1050.99円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

コメントを投稿