魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

弱い心とブルピノと

2011年08月05日 | ワイン ~2020年
何となくしばらく飲んでいなかった気がする。


ブルピノを(ブルゴーニュのピノ・ノワールを略してブルピノ)を飲むと、
はたと我にかえる気がする。
最近お客様にあまりお奨めしなかったような・・・・・。


ホントはもっともっとお奨めしたい、でも・・・怖い!

不味いと言われた時の恐ろしさはいくばかりだろうかとすら思う。
何でだろう???


でも私の中では赤で最も好きなのは「ピノ」なんですよねえ。
つまりは自信のなさなのだろうか???



今日はとある業務店の注文に、ずっと使っていただいていたとあるピノ(ブルゴー
ニュではないけど)を私の判断で、勝手に「新ヴィンテージに変わり、味が落ちた
のでやめた方がいいです。」と言って納品を止めてしまった。


これは私の身勝手なのか?、自信のなさか?、逆にそのお店を思ってのことか?
自信あってのことか?・・・・・あとからいろいろと考えてみたけれど、分から
なかった。

ピノでは絶対に喜んでいただきたい気持ちが先行し過ぎるのかなあ。



ワインにはまると絶対にブルピノだと思う。

思うけど・・・お奨めしづらい・・・その典型でしょうか。価格も高いし、強く
思います。コストパフォーマンスは悪いかも?です。
でも当たった時の喜びは・・・天女が羽衣を着て空を舞うようです。




そう思いながら、そう怯えながらの今宵のブルピノです。







2009 ブルゴーニュ ピノ・ノワール(フィリップ・コラン)
   (仏、ブルゴーニュ、ピノ種、赤、2千円程度)


色は当たり年だけにやはり濃いめ。
最初から香りは甘く、バターのしっかり入った焼き菓子や赤い花の蜜、
イチゴやチェリー、その奥には寝かせた肉のような旨味のある香り。


味わいは、美味しいです。通常ブルゴーニュの場合、酸っぱさがまず来る
のですが、これはよく熟した果実の甘さが先行します。もちろんしっかり
とした酸はあって、でも美味しいイチゴを生で食べるときは酸っぱさより
も甘さが来ますよね。そんな感じでしょう。

得も言われぬ樽のニュアンス(決して新樽ばかりではない)がきれいに
乗り、酸っぱい中にもピチピチと赤いベリー、赤い花や蜜が踊りだします。

やはりこの年は良いのでしょうね。2009年は2002年よりも同等以上に良い
感じがします。「2009≧2002」ってイメージです。
これからこの09年をいろいろと飲むのがとても楽しみになって来ました。
これならいろんな方に十分にお奨めできますかねえ。

ちょっとこれからピノの試飲をやっていきたいと思います。

これをお読みの方は、「よくわからないけどワインにはまる人はピノ・ノワール
って聞いたのですが、中でもブルゴーニュが美味しいそうで、一度飲んでみたい
のですが、ありますか?」ってお近くのショップで尋ねてみてください。

それではまるかどうかは、お読みの皆さまの嗜好とお店との相性だったり
もすることでしょう。でもぜひ一度、いや数度はお試しください。



・・・・・な~んて書くあたりが私の心の弱さなのでしょうか。

コメント (2)
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