6月からビールが値上げということで、あちこちとお騒がせ状態になっております。
Yahooニュースでも
こちら(クリック)に書いてあります。
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ビール、2割値上げの店も 安売り規制、戸惑いの声
6/2(金) 5:02配信
朝日新聞デジタル
ビール、2割値上げの店も 安売り規制、戸惑いの声
ビールの価格は上がり始めている
お酒の過度な安売りを規制する改正酒税法などが1日施行され、ビールや発泡酒の
値上げが相次いでいる。ねらいは街の小規模な酒屋さんを守ることだが、一気に2割の
値上げに踏み切る店もある一方、違法な安売りの基準があいまいで、戸惑いの声も広がる。
■「違法な安売り」線引きあいまい
東京都足立区のスーパー「生鮮市場さんよう」のビール売り場。前日まで1千円前後
だった350ミリリットル入りのビール6缶パックが、1日からは150円ほど値上げされた。
6缶パックを週3回買うという女性(80)は「近所のスーパーを回って、1円でも
安いものを探している。ビールを控え、焼酎にかえるかも」。店で酒類コーナーを担当
する阿部芳邦さん(42)は「ビールは数円上がっただけで売れなくなるほどシビアだ」
と、客のビール離れを心配する。
それでも値上げに踏み切らざるを得なかったのは、昨年5月に成立した改正酒税法など
の影響だ。商品の仕入れ値に人件費や賃料などのコストを加えた原価を下回る価格で売る
「赤字販売」を原則禁止し、違反を続ければ業者名の公表や罰金、販売免許の取り消し
などが科される。国税庁は来月に「酒類取引専門官」を新設して監視を強化する。
規制の対象はお酒全般だが、ビールや発泡酒はこれまで大手スーパーなどが集客の目玉
として赤字覚悟の安売りをしてきたことから、対応を迫られて値上げの動きにつながっている。
首都圏の中堅スーパーは、賃料が高い都心部の店が多く、そのコストを反映した結果、
1日からビール類と一部リキュールの価格を全店で一律1~2割も値上げした。大手でも、
イオンが一部商品の値上げに踏み切った。
安売りの原資としてビールメーカーが出している「販売奨励金」(リベート)の支払い
基準も厳しくなった。これを先取りしてキリンビールは1月から、アサヒビールも3月から、
リベートの減額に踏み切るなどした結果、店頭価格はすでに上がり始めている。
ただ、どこまでの安売りが違法なのか、線引きはあいまいだ。たとえば原価に含める
人件費。食品や日用品、お酒といった売り場ごとには明確には分けられない。国税庁は
「合理的な方法で計算してほしい」とするが、「企業ごとに解釈に違いが出る」(スーパー関係者)、
「週末の各社の出方をみて価格を調整する」(大手ディスカウントストア)など、困惑が広がる。
朝日新聞社
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まずは赤字でも売っていた事実があることをご承知下さい。
確かにあいまいな部分はあるでしょう。線を引くのは難しいけど、どこかで線を引かざるを得ません。
それが資本主義社会の、最低限の競争原理です。
簡単に申し上げますと、
酒税は全く関係ありません。
増税ではありませんし、国が税収を増やそうとしているわけではありません。
今まで独占禁止法などのルールを破った安売り(仕入れ値よりも安く販売)を規制するということです。
もしもあなたが商売をしているとして、仕入れ値よりも
安く売ることを考えたことがあるでしょうか?
資本主義社会ですが、いくら自由とはいえ、仕入れよりも安く売ってしまうとメチャクチャに
なり、健全な競争が出来ないので、そこを是正しようという規制です。
小売りも、卸も身を削って安売りしていた(買う側は今まで恩恵を受けていた)のを、
改めようとすることになった、ということです。
(定価販売のタバコ、塩に関してはなぜか誰も文句は言いません)
はっきり言います。当店のような弱小小売店では仕入れ値はほとんど上がらず(それでもほんの
一部は上がるものが出そうです)、価格の値上がりも少ないです。いや、ほぼないに等しいところ。
スーパーやドラッグなどは客寄せとしてビールで儲からなくてもいい(他の商材で利益が
見込める)ところは、今までたくさんマグネット商材としてビールやビール味のリキュールを
販売してきました。
その裏には、販売促進費(リベート)やドラッグストアでの薬品類のマージンの大きさ
(なぜかこっちは問題にならないし安売りも行われてこなかった)だとか、あるわけです。
その部分の僅かな改正だと思われてください。
そんな訳ですので、当店での値上がりはあってもとても少なくい(1本プラス数円~20円以内)
と思っていただいて結構です。
酒の小売業界の自由化が行われる前も、よく規制にあぐらをかいて・・・などと揶揄された
こともありますが、マージン(粗利益)は15%前後で商売しておりました。
その中から必要経費を差し引くと、結構ギリギリの状態だったのです。
忙しくても、身体はボロボロでした。
白状しますと酒販業界とはそんなものです。結構ブラックな状態だと思われます。
でもお酒が好きだったり、その味わいや文化を広めようと、情熱を持って多くの先輩方が
やってきました。そして今日に至ります。
でも結果ブラック状態。
嘆かわしいと思います。そのあたりを、値上げに対して文句を述べられる前に、ほんの少し
でもご理解いただけたらなあと思います。
グチ言っても仕方ないので、そんなわけで、今夜はこれ。
2015 ブラックオーク カベルネ・ソーヴィニヨン
(USA、CS種、赤、千円台後半)
香りはブラックベリー、プラムなど黒系ベリーにちょっとトースティーで、ブラックチョコ、
揮発性のミンティーさ、黒糖などを感じます。
味わいは黒々としたフルーツ。トースティーで小ざっぱりと切れます。
酸味は穏やか、タンニンもバランスとしてはやや出ていますが、そこまで強くはありません。
愛想はそんなに良くなく、引き締まってダンディーです。
肉料理、特に甘めのソースの料理を引き締めてくれることでしょう。
悪くはありませんが、特にすごいわけでもないです。これでなくてもいいワインなので、
今回の採用は見送りましょう。
ちなみにダメ出ししたワインを試飲する経費もかかるわけですが、個人負担です。