どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (17)

2006-03-25 18:15:53 | 連載小説
「ぼくは、何があっても別れないからね」  おれは、呟くように言った。 「わたしだって、あなただけなのよ」  ミナコさんも、眩しそうにおれを見返した。「・・覚えているかしら、わたしの顔を、まじまじと見てくれた日のこと。あの時、営業のひとと話をしていても、ポーッとして何も覚えてないのよ。わたし、あんなふうに見つめられたの初めてだから、もう気が飛んでしまって」  ミナコさんは、頬を上気させていた。  お . . . 本文を読む
コメント