どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

耳の穴のカナブン(6)

2006-11-28 01:30:27 | 連載小説
 法事というものが、どんな意味を持つのか、モトコは深く考えたことがなかった。  田舎では、どこの家でも村のしきたりに従って坦々と進めていたから、祖母が死んだ時も母は滞ることなく行事を済ませていったような気がする。  奥様の四十九日が済んで、次は一周忌だと、頭の中で漠然と考えている。  いや、その前に新盆がやってくるから、そのとき大掛かりな供養を営むことになるのかもしれない、と思い直したりする。   . . . 本文を読む
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