どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

むかしの詩集とフォト日記(2) 「鼻」

2010-11-04 00:31:19 | ポエム
       残照        「鼻」   天保七年の秋の夜   西空に鼻が垂れ下がった   二つの黒い鼻孔を眼のようにひらき   飢饉にくたびれた百姓たちの寝顔を覗き込んだ   腹の空くような風が吹くと   ピーッと障子を突き抜ける赤子の泣き声がした   おっかあはホウキ星の夢を見た   赤い箒で座敷を掃くと   家中に火がついた   抱きつかれて親 . . . 本文を読む
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