どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)113 『燃える年賀状』

2015-08-30 01:14:40 | 短編小説
   年賀状を処分し始めて、今野祥三は火に焼べる手をはたと止めた。  故人となった親友の賀状をしげしげと眺め、やがてそれを傍らに取り除けた。  いったん選別の基準ができると、取捨はスムーズにいった。  直近の二年分を除いて、あとは基準に従って躊躇なく焚き火に投げ込んだ。  (故人のものなど、取っておいても仕方がないのに・・・・)  故人というより、友人としての思いが勝っていた . . . 本文を読む
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