どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の連載小説『<おれ>という獣への鎮魂歌』(40)

2023-08-31 00:33:31 | 連載小説
 その夜、隣人は帰ってこなかった。 何があったのだろうと考えて、おれの眠気も吹っ飛んでしまった。 明け方になって、とろとろと眠ったようだったが、なんとも不快な気分で目覚まし時計に起こされた。梅割り焼酎のげっぷが突き上げてきた。 二日酔いというほどではないが、胃の調子が悪いのは確かだ。湯で薄めた牛乳と共に、胃腸薬を飲んで家を出た。 しばらく顔を合わせていなかった紺野が、新たな事務所開設の挨拶を兼ねて . . . 本文を読む
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