どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の連載小説『<おれ>という獣への鎮魂歌』(29)

2023-08-19 07:30:16 | 連載小説
 翌週、おれは、たたら出版に出勤し、残業も含めてくたくたになるほど働いた。 ミナコさんが会社を辞めることになれば、アパートの家賃をはじめ、ふたりが当面暮らしていくための生活費を確保しなければならない。 中野のアパートは、狭いとはいえ二部屋あり、バストイレ付きの所帯用だから、おれの給料から捻出するにはなかなか大変な金額だった。 自動車内装会社社長をあれだけ痛めつけたのだから、ミナコさんは当然辞めるこ . . . 本文を読む
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