どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の連載小説『<おれ>という獣への鎮魂歌』(17)

2023-08-04 03:33:31 | 連載小説
「ぼくは、何があっても別れないからね」 おれは、呟くように言った。「わたしだって、あなただけなのよ」 ミナコさんも、眩しそうにおれを見返した。「・・覚えているかしら、わたしの顔を、まじまじと見てくれた日のこと。あの時、営業のひとと話をしていても、ポーッとして何も覚えてないのよ。わたし、あんなふうに見つめられたの初めてだから、もう気が飛んでしまって」 ミナコさんは、頬を上気させていた。 おれは、たし . . . 本文を読む
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