エンドウ
(季節の花300)より
いつのことだったか
ツタンカーメンの墓から出てきたという
豌豆の末裔に出会ったことがある
血統が本物なら3000年以上
王家の谷に閉じ込められていた
不死身の種のはずだ
栽培をしてみると
鞘が不気味なムラサキ色で
なにやら怨念を引き継いでいる気がした
ツタンカーメンは事故死だったのか
それとも別の原因で・・・・
推理は時間のトンネルを抜けたところで展開する
それに比べて今風のエンドウは
モダンで洒落てはいるが夢の入り込む余地がない
戦争も恐慌も知らない世代は花まで頼りない
勝手な言い方だと怒るかもしれないが
豌豆にまつわる伝説は魅力的じゃないか
その代わりエンドウには純白の心があるが・・・・
ツタンカーメンの話は単に噺のまくらと思えばいい
直売所ではあなたを待っている人も居る
ふっくらとした実をつけて稔りの夢を見させたらいい
晩春の畑の片隅で
何やらブツブツつぶやく農夫がいる
頭の中の豌豆もエンドウもどちらも可愛く美しい
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