どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム114 『皇帝ダリアとマリアッチ』

2015-12-06 09:40:17 | ポエム

 

     皇帝ダリア

    (城跡ほっつき歩記)より

 

 

あなたは誰? なんという花ですか

草木でありながら皇帝などと呼ばれて

あたりを睥睨している あなた

 

あなたは木? 気はたしかですか

ダリア族に属しながら もう草ではないなどと

木化の野望を 果たそうというのですね

 

それにしても見事な花 チャロたちのアミーゴ

旺盛な蕾たちはまだ枝先で待機中ですね

六尺を越える偉丈夫のあなたは確かにエンペラー

 

異国に来てまで驚嘆させる力は 何ですか

故郷のメキシコは魔法の国なのですか

棘だらけのシャボテンが可憐な花を咲かせるのも

 

日本の十二月は枯れ色がベース

アミーゴ 友よ あなたは魅惑の徽章をつけ

高価な肩掛けとソンブレロで異国の冬を覆す

 

どうせのことなら マリアッチを聴かせてください

皇帝ダリアなどと気張らないでギターをかき鳴らそうよ

切々と流れるフルートの調べに季節が耳を澄ましている

 

ホセ・アルフレド・ヒメネスの演奏する

エル・レイ(王様)なら もっといい

バイオリンやトランペットも総出で花ざかりだ

 

新しいものはいい 古いものもいい

発見はいい 驚きはもっといい

やさしさは 何にも増して世界にヒビキ渡る

  

   


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2 コメント

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実はひ弱な性質で (塚越和夫)
2015-12-06 18:37:58
一般に皇帝ダリアの仲間は草丈4メートルを超えるものも少なくないことから、必要に応じて添え木をしたりしてその転倒を防ぎます。
しかしこちらのものはそうした対策はなく、完全に後ろの高木に寄りかかっておりました。
尊大な格好をしてはいますが、風に弱く自立は至って不得手です。

夏の終わり頃からはぐんぐんとその背丈を伸ばしているのですが、葉も少なく茎も細いことから実はあまり目立ちません。
紅葉が色づき始める頃に開花をはじめて、ようやくその存在を主張し始めます。
この画像のものは草丈約5メートルほどでした。

年末頃、降霜の季節を迎える頃になると、一夜にして冬枯れの零落れた姿を晒すその豹変ぶりも魅力的です。

いつも、ご利用、ご紹介感謝を申し上げます。
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皇帝ダリアの知恵 (tadaox)
2015-12-06 22:42:09
(塚越和夫)様、皇帝ダリアは自分の足元も固めずにどんどん伸びてしまうのですね。
日本の土壌だからそうなのか、野生だった原産地でもそうなのか、知りたいところです。

それはともかく、今回の画像の皇帝ダリアは、みずから後ろの木を利用しているようで、知恵者だと思いました。
日本の冬には珍しい華麗な花を提供していただき、ほんとうに楽しめました。ありがとうございました。
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