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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム99 『さては南京玉すだれ』

2015-08-04 07:00:48 | ポエム

 

 

     ゼフィランサス

    (城跡ほっつき歩記)より

 

 

きみはタマスダレって呼ばれているんだって

ほら あの南京玉簾のタマスダレのことだよ

たしかに花を見ているだけじゃ出てこない名だよなあ

だけど葉っぱはザザーッて滑り落ちる簾にそっくりだよね

 

アさて アさて アさて さて さて さて

さては南京玉すだれ チョイと伸ばせば

ゼフィランサスの緑の葉っぱにチョイと似たり

緑の葉っぱがお目にとまれば元へと返す 元へと返す

 

可愛いお花は 可愛いお花は何にたとえよう

白いお花は 池に浮かんだ睡蓮の夢

ピンクのお花は カンザシ挿した町娘

黄色いお花は お腰につけた吉備だんご

 

もういい もういい 大道芸の楽しさは

もう充分にわかったよ

きみは本家のメキシコ系かい

江戸でも流行ったカンディダだろう

 

アさて アさて アさて さて さて さて 

ピンクが目立つ サフランモドキはカリナータ

黄色が気を惹くシトリナや 赤ムラサキのロゼアなど

ゼフィランサス一座の勢ぞろい

 

なあーんだ結局 きみが主役の村芝居

大道芸の場を借りて さおり洋子のお出ましかい

若衆髷にいなせなタスキ 女座長の股旅すがた

泣くんじゃねえ・・・・と 板割の浅太郎の声もする

 

ゼフィランサスに気を惹かれ

花にも葉にも思い入れが深くなる

水無月 文月 葉月にまたがり

日本の夏を よくぞ堪えてくださいました

 

ありがとう ありがとう

死ーせん記念日がめぐってきて

ちょっとの平和と ちょっとの自然があって

洋花でも和花でも 手もとで愛でられる幸せがあれば

 

そんなに欲張った平和など

だア~れも求めちゃいないのですから

  

 


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2 コメント

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白日夢 (塚越和夫)
2015-08-04 20:16:48
こんばんは。

猛暑の折の白日夢のような寸劇の一座の端くれにお加えいただき感謝申し上げます。
ヒガンバナ家の出なのでまさしくタマスダレのような葉っぱを持ってます。
暑さには滅法強い性質なのですが、花色にあまり特徴がなく見過ごされることがしばしばでございます。
あまり自生はしませんが、たまに民家の庭先などで咲いてますのでお声掛けくださいませ。

平和な時代であればこそ花は愛でられます。
花は「いくさ」とは不似合いです。

タマスダレことゼフィランサス別名レインリリイより
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寸劇は陽炎の向こう側で (tadaox)
2015-08-05 00:02:18
今回も貴重な画像を使わせていただき、ありがとうございました。
猛暑が続くなか、陽炎の向こう側でゼフィランサス一座の寸劇が演じられておりました。

たまたま「玉すだれ」の名を知ったのが6年ほど前でして、足元の緑の細い葉と白花の取り合わせが印象に残っていました。
ただ、和名の由来について深く考えることがなかったので、この画像にめぐりあって改めて納得がいった思いです。

レインリリイさんのおっしゃるとおり、いつまでも花を慈しんでいられる世の中が続くことを願っております。
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