栃ノ心
栃ノ心の平幕優勝というサプライズで幕を閉じた大相撲初場所、まずは優勝力士におめでとうと祝意を表したい。
ぼくの印象では、ここ2年間ぐらい太股から膝をサポーターでぐるぐる巻きした栃ノ心の姿しか思い浮かばない。
それでも腕力は右に出るものがいないらしく、両マワシを取ると無類の力を発揮し、稀勢の里を寄り切ったりして驚かせていた。
ところが今場所は相撲っぷりが積極的になって、突き押しをまじえ先に相手を土俵際に追い詰める展開で白星を重ねていた。
これは怪我がかなり治ってきたのかなと思っていたが、それだけではなく何かメンタル面で変化があったのだと推察できる。
一つには、日馬富士の暴行傷害事件に端を発した相撲界のごたごたで、横綱の引退やら休場が相次ぎ上位力士の壁が取り払われたこと。
そして、台頭してきた若手も圧倒的な力に欠け、これなら勝てると勝負への意欲が高まってきたこと。
これらが怪我からの回復と相まって自信を取り戻させたのだろう。
対玉鷲戦をみていると、相手の攻めを跳ね返すだけの気力が感じられる。
さて、下手な推理は置いといて、強くなった栃ノ心を止める程の力士は見当たらずついに優勝にこぎつけた。
こういう結果もたまには面白くていい。
ひとえに栃ノ心という力士の獲得した結果である。
普通は所属する部屋とか、親方の功績なども話題に上るはずだが、皮肉なことに栃ノ心優勝決定前に春日野親方の不祥事が明るみに出てしまった。
これでは美談の作りようもなく、ちぐはぐな印象だけが残った。
『目出度さもちゅう位なりおらが春』
小林一茶の、よく知られた俳句にぴったりの状況と言ってもいいのではないか。
春日野親方は、弟子の優勝を手放しでは喜べないというこじつけの解釈である。
本来の文意は、「ちゅう位」という信濃地方の方言を知らないと理解できないそうで、『SOGI』133号 青木新門氏の解説には「あやふやとか、いい加減とか、どっちにもつかず」となっているそうだ。
これはこれで皮肉っぽくていい。
ぜひ参照していただきたい。
栃ノ心は、元サンボの欧州チャンピオンだとか、歯科医の資格を持っているとか、家族構成も含めていろいろ話題には事欠かない。
今までは力士生活をエンジョイしていたようだが、これからも変わらずに楽しんでほしい。
ジョージア(かつてのグルジア)という国の国民性は、臥牙丸にしても素直で裏表のない印象がつよい。
酒好きだそうだが、場所中はウォッカなど強い酒は禁酒しているらしい。
まさか自制心が崩れることはないだろう。
最後に、栃ノ心は春日野親方に感謝の言葉を述べている。
以て瞑すべしである。
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ずっと下の方には名横綱大鵬のお孫さんもいて、いずれ上がってくるでしょうし、相撲界大改革のときも迫ってきている予感を覚えるのは私だけでしょうか?
何となく愉しみ!!!
栃ノ心の再起は立派でしたが、もう一つ期待は大鵬の孫とライバルの少年の出世争いですね。
ここに目をつけるとは、さすがです。
白鵬も新弟子の頃はモヤシのようで新鮮でしたから、それに比べればライバル二人の少年は逸材といわれて、先が楽しみです。
よく前相撲から足を運んでいるお客さんがいますが、新芽のかほりを嗅いでいるのかもしれませんね。
知恵熱さんと一緒で、春場所が愉しみ。
ありがとうございました。
このところの相撲界のごたごたのワイドショーに、少し食傷気味でうんざりしていたところへ、平幕の爽やかな優勝で、何となくスカッとしました。
私も、この好青年の”素直で裏表のない印象”に全く同感です。
まあ、春日野親方の不祥事は、それはそれとして、栃ノ心の好印象は変わらないと思います。
来場所以降が楽しみです。
怪我さえ治れば、まだまだ活躍しそうですね。
それに取り組みのさいの好印象を、さらに土俵の上で見せてくれるでしょう。
コメントありがとうございました。