アサザ
(城跡ほっつき歩記)より
おもえば青春はつかの間のかがやき
まずしい家計のやりくりを得て
身の程知らずに進学校をめざした
若竹のような勢いは程なく萎むもの
同学との競争に倦み疲れ
未来は薄墨色に染まる
みずうみの町で朝早くアサザの花を見た
対岸の街から来た年上の女性を置いて宿を離れ
ひとり高台の学校をめざす途中だった
満ちてくる初夏の日の出がまぶしい
きらきらと湖面に踊るさざなみが小賢しい
自堕落な学生生活を揶揄する水鳥の声が鬱陶しい
すべて非難に聞こえるのは自責の跳ね返り
かろうじて校門をくぐる詰襟の矜持
襲い来る睡魔との格闘にテストの文字はぼやける
急ぎ足で通り過ぎた湖岸のアスファルト道
未来へつながる勉学の道とは異質だが
せめて朝日を受けたアサザの花に恵みあれ
淀みがちな水を浄化するアサザに幸あれ
青春の日々に一滴の潤いをねがう老人にも
通り過ぎて行った女性たちにも思い出の開花あれ
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この日は薄曇りでもあり昼には花が閉じてしまうとのことでしたが、撮影をしたのは午後1時前でしたのでギリギリ何とか間に合ったようでした。
一般に「植物図鑑」などに掲載されている、こういった植物の生態は、あくまでも一定の環境下における習性であるように思われます。すべての個体に共通するものではなく、それぞれが個別の環境に順応しているものであるように感じております。
その一方では水生植物のなかでも比較的身軽なことも影響しするのか、少しでも水面が波立ちますとぞろぞろと集団移動してしまいます。
どこか人々の行動や関心事を示唆しているかのようにも思われました(^^ゞ
ポエムのテーマとは乖離したコメントで失礼をいたしました。
今回も、ご利用、ご紹介有難うございました。
あるいは浮草の一種なのでしょうか。人間の行動に見立てた見方、たいへん面白いですね。
子供の頃親しんだ水辺の風景が思い出され、藻や睡蓮や蒲に出会うとどこかホッとします。
水の匂いが鼻腔の奥に蘇ってきて、懐かしい気分にさせていただきました。