参考=ハコガメの一種
(ウェブ画像)より
南太平洋の北東寄りの海域に
ガラクタバコと呼ばれる孤島がある
島の周りには幾つもの岩礁が隠れていて
いつも海流が白波を立てていた
航海時代から近くを通る船もなく
長年にわたって存在を知る者もなかったが
難破船が岩礁にぶつかりバラバラに砕け
木片となって打ち上げられことがあった
そのまま朽ちていく船の残骸の中に
頑丈な箱がひとつ形を保っていた
島にはアホウドリと一匹の亀が住んでいた
アホウドリの群れの中で亀は途方に暮れていた
好奇心旺盛なアホウドリに突つき回され
緊急避難のために潜り込んだ箱から出られなくなった
もがいているうちに年月が過ぎた
島に漂着する海藻や魚などで命をつないだ
19世紀になってアメリカから調査団がやってきた
岩礁からできた島の動植物に興味があったのだ
上陸したオミステリー博士は一瞬自分の目を疑った
水際に見慣れない生物がいたからだ
なんだこれは!? まだ見たことのない亀だ
甲羅がやけに高い箱型をしているじゃないか
長い年月頑丈な箱にゆがめられて育った痕跡は
もうどこにも残っていなかったのだ
博士は島が周囲から隔絶した環境なので
その亀は独自の進化を遂げたものと確信した
調査ノートには新種の可能性があると記録された
遺伝子を調べるような科学的技術がない時代のことだ
カメ目リクガメ科ハコガメ属に新種発見
博士の名前を取って「オミステリ箱亀」と名付けられた
今でも遊覧禁止の孤島のものがたりである
やがてツバルと同様に水没する危険があるらしい
* 文中の名称にはインチキ〈架空〉のものがあります。
純粋なクリンさんをだましてしまい、すみません。
でも、「やった~」の気持ちも。
*<ただし書き>を補足して、自責の念も・・・・。
(・・でもよくよく考えるとガラクタバコからしてインチキのニオイが・・)純真なクリンより🌸