ぼくが焚き火をはじめると
森のどこかでカラスがカアカアと鳴く
ああ また小言幸兵衛がご注進か
ぼくは意地になって
集めた落ち葉を焚き火につぎ足すのだ
レンガで囲った焼却炉では
赤あかと燃える灰が積み重なり
ほうり込んだサツマイモや馬鈴薯を包み込む
遠赤外線がじわじわと芋たちの中心を温め
小一時間で理想の焼き上がりになるのだ
やっぱり紅あずまが一番だな
そうよね値段も高いからね
そうした会話を威嚇するように
カラスが森のどこかでカアカアと声を張り上げる
なんだよ焼き芋のご相伴にあずかりたいのか
晩秋から冬へと季節が移る時期
午後の日差しはひときわ明るく輝く
日差しが差し込む雑木林を
焚き火の煙がゆったりと縫っていく
カラマツの幹にぶつかって白煙が四散する
勘違いするな 焼き芋なんて欲しくないわい
火事にならないように警告しているだけだ
小言幸兵衛は負け惜しみの一鳴きを残して
森のどこかへ飛び去った
そうかそうか火事には気をつけるからごめんよ
夏にはあんなに活躍していたキツツキも姿を消し
冬ごもりに入ったのだろうか
幹の中で虫たちが蠢かなければ
木をつつく意味もないのだろうか
雪が降ったら小言幸兵衛はどこに篭るのだろうか
みんながんばって冬を越そう
標高800メートル気温零下10度の地は
そうやすやすと生活をさせてはくれないのだ
集団で身を寄せ合って春を待つ
カラスのカア助もどこかで餌を見つけるだろう
〈2017/11/24より再掲〉
森のカラス
(ウェブ画像)より
都会に出てきてもよいけれど、夕方にはねぐらの森に帰って欲しい。
(我が家の周りにカラスに住みつかれ、夕方に騒がれてイライラしている男より)
石原元都知事の時は、カラスの捕獲作戦というのがありましたが、現在はまた野放しですかね。
なかには、鷹匠を連れてきて鷹を放してみたり、どこの自治体も苦労していますね。
コロナじゃないけど、撲滅は無理ですから、これからも「withカラス」で行くんでしょうね。
悩ましいことです。