さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

吐魯番(トルファン)へ  カレーズを見る

2012年10月16日 |  新疆ウイグル



この日はトルファンへの一日観光。またまたハードな中国式団体旅行です。

例によって、また5時起きだ。真っ暗なうちに集合場所のバス停に到着する。

中国人は列を作らない。なので扉が空いた瞬間は修羅場と化す。幸い一番乗りで、
バスのドアの前に立って並んだ。後ろには母親と息子の二人連れが立っていた。
あとは列があるんだかないんだか。

運転手がやってきて、ドアが空こうとしたとき、直前にやってきた母と娘、その娘
(二十歳くらい)のほうが大胆にも割り込んで入ろうとした。私は右手で「がし!」と
ドアの横の手すりをつかみ、横入りを阻止。手をつかんだまま(通せんぼをした
まま)階段を登り、続いてチェングォ、そして後ろで並んでいた母と息子が続いて
入れるようにした。

それでもその後ろになんとか割り込んだらしく、私が一番前の席に座るとその娘は
三番手に入ってきた。

そのうしろの人たちは前から来ていたのに、このように公然と割り込みがあっても
文句を言わないのかな?チェングォに「もし俺なんかが『ちゃんと並びなさい』と
注意したらどうなるんだろ?」と聞いてみました。

すると「中国人はメンツを重んじるから、自分が悪いとわかっていても、ひと前で
恥をかかされた、と怒るだろう」ということでした。「そりゃおかしいなあ。だって
自分が悪いって認めてもかい?」と言うと、「そうなんだよ。中国人はそうなんだ」
ということでした…。

これは外交でもそうだそうです。中国を相手にする場合、相手の落ち度を追及
し続けたり、論破しようと思ったら逆切れされます。それよりメンツを立てて
やれば、ぐっと譲ってきたりするのです。


さてトルファンはウルムチからバスで3時間くらい。ふたたび砂漠を一直線。



トルファンはとにかく暑い。記録によると、最高気温は50度近くまで上がったことが
あるというし、地表温度は80度を超えたことがあるんだって!地面でお湯が湧く!

ちなみにウルムチやそこから北へ向かったときは、気温は高くても気持ちが
よかった。なにせ湿度が極端に低い。日差しは焼けるようですが、日陰にさえ
いれば風は爽やかで40度近いというのに汗をあまりかかないのです。

しかーし、トルファンはむっとする…。湿気があるのだ。盆地とは知っていたが、
チェングォのスマホで海抜を見てもらったら、なんとマイナス15m。あとで調べたら
この地方でもっとも低い位置にある湖は、なんと海抜マイナス155mなんだって!

どおりで年間降水量16ミリだってのに湿気があるわけだ。。。


さて紹介が遅くなりました。ここはカラッカラの砂漠地帯だってのに、噴水が
あるでしょう?葡萄とカレーズの博物館なのです。カレーズとは…。



砂漠地方には、遠くの高い山から流れ出てきた水が、ある場所で突然湧き出す
ところがあります。オアシスと呼ばれるものです。

それを人工的に作ろうと、穴を掘って地下に水路を作ったのがカレーズなのです。

万年雪を頂く高い山から雪解け水が流れてくる。そのほとんどはもちろん地面に
吸い込まれてしまいます。しかしそれは大地の奥で地下水脈となって流れている。

山のふもとで縦穴を掘り、その地下水脈を探り当てる。トルファンのような都市に
向けて、何十メートルおきに縦穴を掘り、その縦穴を降りていって横に掘り、
縦穴同士を水路でつなげる!それをずっと町までつなげて地下水脈のネット
ワークを作るわけだ。全部手作業。なにせ紀元前に中東から伝わったやり方
なんですもん。

そのおかげで、雨の降らない砂漠地方でこんなふうに人々が暮らし、葡萄畑が
青々と広がっているというわけだ!

採れた葡萄をその場で搾り、一杯5元で飲ませてくれました。豊かな地下水脈
からの冷たい水を吸って、灼熱の太陽を浴びて実った葡萄ちゃん!



すごいよねえ。葡萄畑の外側には、干し葡萄を作る建物が数え切れないほど
並んでいました。ものすごく暑いので、干し葡萄はすぐに出来ちゃうでしょう。



カレーズがどんなものか展示されているのですが、撮影がちと難しかった。
下の溝に地下水が流れているのですぅ(^益^)b