さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

神津島最後の夜は島寿司を食べる

2023年12月13日 | 関東甲信越


最後の夜は「美家古寿司」を予約してありました。例によって薄暗い住宅地の奥で
とってもわかりにくいが灯りはついていた。


やはり俺ひとりのようである。大将もひとり。好きな所に座ってくれと言われて
カウンターに近い席を取る。


酒は島の焼酎「盛若」。予約時に「島寿司しかできないよ」と言われたが、たしかに
それ一品。ただしエビのお通しは出てきた。


し~んとしてて、大将が寿司を握っている間は沈黙が続くしかない。


お~、醬油ベースの「漬け」なのだが、練り辛子を使っているのが特徴。伊豆諸島
ではワサビが手に入らなかったのが、この寿司を生んだ理由らしい。魚はメダイ。
南の魚がいろいろ使われるそうだ。


食後に一杯、お手製の果実酒をサービスしてくれるというので「あけび酒」を
頂きました。大将は自分の仕事が終わったので、俺のテーブルにやってきて座り
話が始まった。

この店は客も少ないから島寿司一品だけで、しかも仕入れと準備があるから予約しか
受け付けていないという。島の住民は島寿司など食べないので、もう観光客しか来ない
そうだ。だからひとりでやってるいま、住民たちには「若い男よりは70や80のバアサン
の店に行くよ。だから年取った男の店に誰が行くかい」と言われるといって笑って
いました。

島の飲食店には看板も表示もないと言うと、「観光客がわっと来たりすると地元の
客が入れなくなるから、酒場もラーメン屋も全部看板や暖簾をはずしてわからない
ようにしているんだ。一方でうちに来るのは観光客だけ。2つに分かれているんだよ」
と説明されて、ようやくこの習慣がわかってきたのでした。ちなみに誰に聞いても
移住組の高級な「燻製寿司」だとか「フレンチ」の店には「行ったことない」と言って
いましたなあ。

連日行った楽しい居酒屋たつみの話をすると、やはり常連らしい。「ちょうちん」と
呼ぶので「たつみじゃなくてそう呼んでいるんですか?」と聞くと、「なぜだか
知らないけれど、昔からそう呼んでいるなあ。提灯ないけどね」とおっしゃる。
あそこも観光客があまり来ないように全部はずしてますから、提灯もはずしたの
でしょう。「そういえばメニューの短冊にちょうちんサラダってあったなあ!」と
言うと「そうだった?」と知らなかったようです。あとで確かめようw


あけび酒はするりとなくなったので、次にパッションフルーツ酒を追加注文し、
大将に「今度は俺がおごりましょう」と申し出ると、一番好きなビワ酒を選び、
「これが一番好きで自分で飲んじゃうからなくなっちゃった」と言ってました^^;


というわけで最後の夜の最後の店は「たつみ」に。横には甲高い笑い声を上げる
若いお嬢さんがふたり。この声は、夕方民宿で聞いた声だ。最後の日に、うるさい
客が来たなあと思っていたら、ここに来ていたかw うしろの小上りにいた青年たちが
一生懸命声をかけて、これからカラオケに行くから一緒に行かないかとしきりに
誘っていた。出るときには「待ってるから来てね!」と言い残していきました。

そのお嬢さんたち、しばらくして出て行くときに女将さんが「カラオケの店は
そこを出た橋を渡ったところだからね」と援護射撃^^;

やっと静かになり、女将さんと4日間の旅の経験や、食べた店の話などをしました。
さっきの寿司屋の大将もここの常連だけによく知っていました。「ちょうちん」という
名前は先代が使っていたらしく、その名残で「ちょうちんサラダ」というメニューが
あるそうですが、別に普通のサラダなんだとか^^


帰る頃、さっきの青年のひとりがお嬢さんたちを迎えに来ました。行かなかった
わけですね。女将さんが「店の場所を教えて勧めたんだけどね」と言うと、がっかり
して帰っていきました。ううむ、残念。しかし民宿は10時が門限になっており、
まもなくその時間だからなあ。

部屋に帰ったら、さっきのお嬢さんたちの甲高い大声が響き渡っていましたw



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