日本人は、ランク付けが大好きです。私は旅に出て酒を飲むのが好きですが、
ネットを見れば「観光地ランキング」、「居酒屋ランキング」などなど。
ちなみにそれらの上位はに私の趣味に合わないところがズラリと並んでいます。
酔っ払ってよくスナックでクダをまく先輩は、店のママさんに「ブスって
言われてがっかりするな。ブスは女性のランキングで、わりと上のほう
なんだから」と言って、そのランキングを説明していました。
佳人、麗人、別嬪、美人、並、ブス、ドブス、鬼瓦、夕日の鬼瓦、化け物
「どうだ、ブスはそんなに下のほうじゃねえんだよ!」と、慰めにもならない
暴言を吐いていたわけです。「夕日の鬼瓦」ってのは何だよ、と笑うところが
ミソなんでしょう。調べてみたら、以下のようなランクが出ており、そっちの
ほうが正統なもののよう。
佳人、麗人、美人、並上、並、並下、醜女(ぶす)、違面(いづら)、面誤(つらご)
失礼な話ですねェ(^益^; こうなったら女性のほうにも、男性をランク
付けする言葉を並べてほしいものです。下のほうに「お調子者」とか「酔っ払い」が
出たらやだなーw
飯野亮一の『居酒屋の誕生~江戸の呑みだおれ文化』(ちくま学芸文庫)に
よると、江戸時代に酔っ払いのランク付けがされていたそうです。酔っ払いは、
「ずぶ」と言われていたとか。そしてそれには数字がついたランクがある。
づぶ三の頃が酒盛りおもしろし
これくらいだと、大笑いしながら楽しく酒を飲んでいるレベルなんでしょう。
づぶ六はねるがづぶ五は手におへず
たしかに酔いつぶれて寝てくれるほうがよかったり。その前がいかんのですな。
づぶ七に成って生酔い手におへず
「生酔い」とはその前の段階です。私はよく5~6くらいになり、たまに7に
なります。のちに罪悪感に襲われたり、記憶を失ったり。。。
づぶ十弐それ雑巾よ耳盥
耳盥(みみだらい)とは、両側に取っ手のついた手洗(たらい)。私はきちんと
トイレに行ってやりますので、せいぜい10くらいかなー。
さてテレビ番組で「大食い大会」が人気ですよね。この本によると、文化元年の
資料には「大食い・大酒飲み大会」が人気だという記録。17世紀、400年近く昔
ですぜ!
その結果がランク付けされて残っているのです。
上戸(酒の部)
大関(横綱はなくて、これが最高位)
医者の薬箱のふたで酒一杯半。(なんてもので飲むんだ。いまと同じで、大会
にはちゃんと医者が呼ばれていたのか?)
関脇
黒椀にて31杯。(すげーな)
下戸(食べ物の部)
大関
黒砂糖2斤。唐がらし5合。(甘味と激辛両方かいー)
関脇
大饅頭72個、二八盛蕎麦28。(コレいまでも優勝できるんじゃ?)
大酒飲み大会の記録も残っています。文化12年10月21日、千住で中屋六右衛門の
還暦祝いに100人の大酒飲みが集まった。5合から3升までの盃が用意されたそうです。
優勝者は下野小山の佐兵衛というやつで、なんと7升5合!その他3升も4升も
飲んだやつらの記録が残されています。
女も参加していました。天満屋の美代女は1升5合飲んで全然平気だったとか。
私の知っているすごく小柄な女性も、大酒を飲んでケロッとしており、いつも
俺ひとりで酔っ払っていました。菊屋のおすみさんは2升5合を飲み干し、
おつたさんは7合飲んで、その場で酔い臥したそうです。耳盥、医者、坊主の
世話にならなくてよかったですねェ。
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