さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

ロンドン・パリの深夜バス その2

2011年02月25日 | 英国


これがドーバー海峡から見たアルビオン、ブリテン島への入り口です(^益^)b

 どれだけ食べても減ってこないチップスの山を後に残し、わたしはパリ行きのバスに乗り込んだ。深夜の街道をバスは走り出した。

 照明の落とされたバスの中は誰も話をせず、外の景色も見えない。一日の旅の疲れにバスの揺れがやがて眠気を誘う。しかし1時間ほどで、バスはブリテン島南端のドーバー海峡に到着した。バスの中でパスポートの確認がなされ、寒い外を歩かされてフェリーに乗り込む。あとにする英国の地をふりかえると、夜の闇の中にアルビオンの白い断崖が映え立っている。「アルビオン」とは、ラテン語で「白い国」という意味で、グレートブリテンすなわち英国の古い呼び名だ。むかしヨーロッパ大陸からブリテン島に渡った人が、この印象的な白亜の壁を見てそう呼んだのです。やはり英国を旅するときには、ヒースロー空港ではなく、このアルビオンを出入り口にするのが正統なのではないかと考える。

 さて夜行船とはいえ、たかが一時間あまりのフェリーの旅である。乗客はあちこちのベンチや椅子に座り込む。しかし船は思いのほか揺れた。深夜1時に頭がぼうっとするところにこれはたまらない。目が回る。トイレで英国人が嘔吐している。眠気と船酔いにふらふらになりながら、フェリーはようやくフランスのカレーに到着した。ふたたび外の冷たい空気にさらされて、わたしはバスに乗り込んだ。

 バスは真っ暗な街道を疾走した。しばらくすると睡魔が襲ってくる。いつの間にか意識を失いようやく夢の中という頃、運転手の「降りろ」という声に起こされた。バスはパリに到着していたのである。場所は夜の街道。時計は5時前を指している。バスはすぐに消え去ってしまい、乗客はあっという間に誰もいなくなった。ここはどこ?!・・・といっても、わかっていることはここが暗く厳寒の空気に包まれたパリということだけだった。。。