2日目も昨夜の酒よし料理よしの店に行く選択肢も考えたが、やはり冒険を選んだ。
路地にあったディープな雰囲気の「時次郎」。流れ者の親分がいるのかなー。
予想通りのディープ感MAX。この画像の右にはストーブがあり、そのストーブの上に(!)
テーブルがあり、二人のじいさんが座っていました。テーブルが熱くならないのか?!
会話は濃い福島弁で、ときどきよくわからない。店はじっちゃんのワンオペ。すべてが
200~300円くらいの安心店。
「目が見えねえ」「メガネかけててかよ?」「そうだよ」「じゃあ意味ねえじゃねえか。
はっはっは!伊達メガネ!」といったたわいない会話が続き、じいさんふたりは煙草を
吸い始めるので、俺も吸うことに。ここは昭和から時間が止まっている雰囲気。この
タイムスリップ感が、こういう店の醍醐味だ。
この異世界空気感に落ち着くことにし、熱燗大徳利に入る。昨夜の地酒ラインナップに
比べて、この店では「お酒2合!」と注文するのである。
そのうちに別のじっちゃん(70以上の制限?)がちらほらと入ってきて、別の店の話に
なったので、「このあたりでいいスナックありますかね?」と聞いたら、「そりゃあ
いろいろな方向性があるからなあ」というので、「最長老のばーちゃんがいるとこ!」と
いうと、「じゃあそこを右に曲がったところにある雅(みやび)に行け。漢字で雅だ」と
教えてくれました。
あるある^^
こういうドアを開けるとき、いつもちょっと緊張(^益^;A
期待ほど干からびてない女性がおり、カウンターに席の準備をしていた。すると
「ああ、今日はごめんなさい。予約入っちゃって。。。」とすまなそうに断られる。
ムムム、白紙に戻ったw
こうなると、もう近所に飛び込むしかない。「あゆ」だってさ^^;
他に客は誰もいなかった。あまりフレンドリーな雰囲気ではないママさんがひとり。
オーソドックスな昭和系である。
こういうところでは焼酎なのである。ふたりきりなので、とりあえず世間話。
そのうちに、作業着を着た中年女性が入ってきてビールを飲む。明るい雰囲気の人なので、
場が楽しくなる。作業着姿なのでお仕事を聞くと、「橋の補修なんかをやっています♪」と
いうことでした。「へえ~~、カッコイイ。作業着が素敵ですよ」とお世辞でもなくホントに
思ったことを言ったら満面の笑顔になり、「もう行かなくちゃ。あなた何を飲んでるの?
焼酎?これ一杯おごって!」と言い残して飛び出して行きました。
「さっさと帰りましたね」と言うと、「旦那さんがずっと年上で、嫁さんが外に出る
のを嫌がるのよ」ということでした。へええ。仕事帰りにビール飲んでリラックスする
のも嫉妬するわけね。んで10分で飲んで、とぼけて帰るわけかー。しかし嫁さんを惹き
つけておきたいんなら、逆効果なんじゃねえか?
というわけで「年上の旦那論」の話になり、最後に「おつりはあの女性におごって
ください」と、お返しを託したのでした(^益^)w
また1時間かけて歩き、喜多方の街に戻ってきました。昼もまたラーメン。ついに
「こうへい」が開いている。男の名前なのに、おそらくは奥さんとお母さんがやって
いる。外は雪が残り冷たい風雨なので、ストーブのすぐ横にどうぞ、と言われたのだが、
午前中ずっと歩いてきたし、セーターまで着ているのだから汗が出るほど。なので
セーターを脱いで、ストーブからは離れて座りました。
さてようやく「漆黒ラーメン」を食べることができました。富山のブラックラーメンを
食べて以来、真っ黒いラーメンのファンなのである。しかし富山の味を懐かしんでいる
だけに、どこの黒ラーメンを食べてもパンチが少ない。もっと味が濃くてしょっぱくて
いいのだがー。やはり原点に戻り、富山に行くか。。。
昨日喜多方に到着して「あべ食堂」のラーメンを食べ、夜は居酒屋、そして今日の朝に
「坂内食堂」、昼にはここ「こうへい」と、ラーメン続きだ。味変しているしラーメン
好きなので全く問題はない。これからまた同じもう一回転してもいいくらいだ。
といっても私のコレステロール値には大きく問題があるかもしれぬ。普段から高いのだ。
酒も飲むからγーGTPも高い。杉アレルギーも測定器を振り切るくらいに高くて花粉症、
こりゃあ先は長くないかもしれぬ、と思い「いまのうちに飲んで食って」と思うわけだ。
さてこれからどうしようかなーと思う歩き出すと「吉の川」。昨夜試しました。
「昭和のおじさん」でした。
「古風なカフェ」という案内の店に行ってみたが、昨日も今日もやってない。
「不定休」なんてのは困るなー。
すぐ横のコレも閉まってる。まあもう食べないけど。
んじゃー、と喜多方マップを見てもうひとつの喫茶店に歩いて戻るが、こちらも
「本日休み」ときたもんだ。もう行くとこねーじゃん!
しかたなくと言っては失礼ですが、何度も行った大和川酒造に行く。ここに入ると、
試飲をして、そして買うしかなかろう。。。旅の始まりで、酒瓶を持って歩くのは
重いんだよなあ~。送るという手もあるのだが。
ここは明治蔵、大正蔵、昭和蔵と並んでいる大きな酒造です。
こりゃ一升瓶より大きいよねえ。
最後は蔵がホールになっていると。音響がいいそうです。
さて最後の売店、すなわち試飲コーナーに。他に客は全くおらず、おばちゃんは何か
やっている。「試飲いかがですか~」とか聞いてくれればいいのに。このまま帰ろうか
とも思ったけれど、時間つぶしに来たのだから、と思って声をかけました^^;
もう既に味は知っています。前回はもう有料のツートップ、「四方四里」と袋吊りの
「いのち」だけを飲んだりしました。というわけで、今回はその他いろいろに。
といっても20種類以上あるので、「全部ください」とも心によぎったが、とりあえず
純米吟醸あたりを順番に。その都度小さなプラスチックのお猪口を替えるのだが、
いくつも飲むもんだから「同じの使ってもらっていいですか」と言われる。なんとなく
「こいつはタダでたくさん飲みたいだけだな」という空気を感じる。
大吟醸もあったので、高級品3種類を「全部お願いします」と飲む^^; やはり少しでも
飲み比べると、それぞれの個性がわかっていいな。そして昨夜「田舎家」で試してみようと
思って忘れていた「夜ぐると」という、ヨーグルトを混ぜたリキュールも味見。
というわけで、最後に「ではこの大吟醸を下さい」と即決。
おばちゃんは少し驚いて、そのあと少しやさしくなりました^^;
遠くに見えている雪山の飯豊山伏流水仕込みだってさ。すごく美味かったぞー。
さてまもなく「三津谷の登り窯」があるはずだ。
おおお、コレコレ。何やら焼き物って、長時間高温をコントロールするのが大事で、
そのためにこうやって窯が段々になっているとか。
裏に回ってくると、資料館がありました。しかし入り口は閉まっていて、見学希望者は
隣にある「高齢者生産活動センター」に来いと書いてある。そこに行ってみると、
入り口に「いまいないから、〇×まで連絡を」とか書いてある。中の事務室では職員が
何人も働いており、じじばばもちらほらいるが?声をかける気にならなかったので、
このまま去りました。
三津谷集落へまたしばらく歩く。
振り返った画像の真ん中には小さくなった、さっき見た廃校になった中学校。下町に
あった俺の行った小学校、中学校、高校もぜ~んぶなくなりました。少子化っつ~のは
そういうことだね。廃校になっても建物が残っているほうがましか?
さて三津谷集落に到着。煉瓦造りがこのように印象的なのです。
実は横にこんなソーラーパネルが並んでいて、景観も微妙。紹介されるときは、
上の画像のように切り取って撮影しますよね^^;
さて大きな家を見学できます。200円です。別に高いとも思えませんが、金を払って
個人宅を見物するのもなー、と思ってやめておきました。1時間以上歩いてきたん
だから、という気もしましたが、これを見るというよりもブラブラ歩くことが目的
だったということもあるからなあ。
ひきこもって本に囲まれ、静かに暮らしたい。夏は涼しく冬はほんのり暖かい、という
のには蔵がとてもよさそう。音楽も聞けるだろうし。しかしずっと暗いのもなんだから、
ここは「離れの書斎」で、暖炉のある母屋には東向きの大きな窓があり、様々な姿を
見せる山と日の出、そして夜には星が見える、なんつー家だったらいいなあ~。
まわりは木立ちで、お隣さんは100mぐらい離れていてほしい。ま、無理ですな^^;
坂内ラーメンを食べたあとはひと休みして、10時頃から少し散歩。何度も来た街なので、
特に見たいものもないw とりあえず小田付蔵通りという、古い建築物の並ぶエリアに
ぶらぶらと向かう。この日は午後から雨が強くなるという。外にいるのもなー。
おー、昨夜飲んだ蔵粋(クラシック)の蔵ではないか。入ると試飲して、買う羽目に
なって、酒瓶を持ち歩かなければならなくなるからなあ。酒樽が並んでいるところに
モーツァルトが流れているのを見るのもいいけどねー。
こんときゃ気づかなかったが、ここはギャラリーになっていて、いろんな展示品が
あったとか。ううむ、次回に「大和屋善内」と「風が吹く」と「弥右衛門」を飲みに
来るときにだな。
蔵通りをはずれてくると、こんなふうに建物はまばらになるが、そういうところの
蔵付きのところに住んでみたいねェ~^^
さて、通りをぶらついてもまだ20分も経ってない。まったりする喫茶店も見つからない。
ドウスル?甲斐家の蔵も、大和屋酒造も毎回行っているから、見てもすぐ終わりそう。
「三津谷の煉瓦蔵群」というのが観光案内にあったぞ。街から北に歩いたら1時間か。
ポツンと遠いから、まだ行ったことがない。雨も降っているが、することもないし、
往復2時間も歩けば一日過ごせるか。。。
街を出ると、すぐにこうだ。歩く人を想定していない道路。幸い車はあまり通ってない。
のんびり行きましょ。。。
お~、山の景色はやっぱりいい。「県をまたいで移動するな」とか、「飲食は自粛」とか
言っているけれど、人口密度の高い東京にずっといるよりも、宿はひとり、酒を飲むのも
静かにひとり、こんな田舎道を歩いて過ごしているのだから、別に悪くないよなあ~。
田んぼの真ん中に、木があって祠がある。宗教は信じていないけれど、是非あって
いいものだと思います。
こういう景色を望むところに住んでみたいけれど、よそ者が集落に入るのは難しかったり
するらしいからなあ。
あちこちにこういう神社があります。住んでいる人々が、何かあったらさっと歩いて
行ける範囲に必要なんでしょうね。
中学校の跡がありました。いまは廃校になっているようですが、何やら建物は使われて
いる気配がありました。こんな立派な建物ですからね。
夏には肝試しをやるといいだろな^^; 女の子とペアになって、手をつないじゃったり
してさ~♪ 組み合わせで中にはものすごォ~くしあわせな奴が出てくるだろなー。
「お互い幸せ」っつーのもあったりなあ~~。しかし俺の場合だと、俺が嬉しくても
相手が嬉しくなる可能性はほぼないだろうから、くじ引きだろうが出席番号順だろうが
何だろうが、「お互いウヒヒ」にはならないってことか。。。 _| ̄|〇
宿は素泊まりなので、私は朝食によくパンいっこをかじったりするのだが、ここ喜多方
では朝ラーメン。この町で一番有名な「坂内食堂」は7時からの営業なのである。
宿のおばちゃんは「もうお出かけですか?」と驚いていたが、「ラーメン食ってくるん
ですよ」と言うと、なっとくしていました。旅館から近いですしね。
おお、広い。7:30頃だったが、けっこう混んでいる。いまは旅行客はとても少ない
はずなので、地元の人たちはよく朝から食べにくるのかな、名古屋の人たちが朝食を
喫茶店で食べるように、こちらの方々は朝食がラーメンなの?と思ったが、宿の
おばちゃんによると、やっぱり観光客が多いらしい。
全国チェーン店で「喜多方ラーメン」があります。わりと好きで、私はたまに食べに
行きます。♪きたかたラーメンば~んな~い、とろけるチャ~シュ~♪という店内に
流れる歌が耳につくところだ。あれって客寄せの逆効果だよね?♪ゴーゴーカレー、
ゴーゴーカレー、あ~~あなたのた~め~に~!♪とか、♪ゴハンを食べ~よっ、
なかうっ!♪を聞きたくないから、入ろうか迷ったときはやめちゃうもん。
お、チェーン店とは関係なさそうだぞ。スープが透き通っている。まるで塩ラーメンだ。
口に含むと、ほぼ鶏ガラの出汁である。朝にはさっぱりしてていい。
最近は塩がほぼ壊滅状態。なにせこってり系がやたらに多い。うちの近所は、とんこつが
何軒もあって、油そばとか、ドロドロの家系なんて近くに2軒ありやがる。
よく食べるのには胸焼けするし、体に悪いだろう。それに職人技を楽しむには、やはり
誤魔化しのきかない塩で勝負してほしい。煮干しベースの東京ラーメンでもいいんだがなあ。
というわけで、この坂内食堂、とっても美味しかった。喜多方の柔らかいチャーシュー
(でかけりゃいいってもんじゃないんだぜ)、太めの縮れ麺(俺の趣味なの♪)、シンプル
でありながらも絶妙な味わいのスープ(和食の出汁文化が生み出す神髄だ)、ほぼ満点。