今夜のニュースを見ていると、故郷の徳島県美波町で行われた遍路道のゴミ清掃ボランティアのことが流れました。
四国巡礼でお遍路たちが歩いて回る昔ながらの道の脇に、不法投棄のゴミが余りにも多く捨てられているのは、「御大師さん」の御心にそぐわないと考える人々が協力し合ったということです。古タイヤや空き缶・ペットボトルそして錆び付いた家電製品など、集められ積み上げられたゴミは6時間で100トン近くにもなったようです。
四国巡礼をするお遍路さんに飲食や寝所などを無償で提供することを「お接待」と言います。弘法大師と「同行二人」として共に旅をするお遍路さんに功徳を施すことは、お返しにそのお遍路さんの受ける恩恵をお裾分けして貰えるという素朴な現世信仰も感じられます。
しかし同時に心の深いところでは人間への大らかな信頼があると想います。今回のプロジェクトに参加された住民や他府県からの参加者560人の心の中には、そういう人間への信頼や和の心が輝いているように感じました。
フリーのプロダクト・デザイナーとして独立した10年ほど前に、僕も早春の四国遍路の道を歩いたことがあります。綺麗になった菜の花の道をまた自由気儘に巡ってみたいと想いました。