由紀さおりさんのアルバム『1969』がiTunes全米ジャズチャートNo.1に輝いたというニュースには驚かされました。写真のようにそれ以前にスポーツ新聞の芸能欄で、ロンドン公演で喝采を浴びたということが載っていたので注目していましたが、まさかその後にこのような展開になるとは想いもよりませんでした。
話題となっているのはアメリカの有名なジャズ・オーケストラ「ピンク・マルティーニ」とのコラボレーションで、持ち歌の『夜明けのスキャット』や『ブルーライト・ヨコハマ』『夕月』など日本の歌謡曲(1曲以外は全て日本語歌詞で歌われました)を含むアルバムです。由紀さおりさんがデビューした1969年の世界のヒット曲を歌っているそうです。美しい日本語の歌唱と独特のアレンジが新鮮な感動を呼んでいます。「ピンク・マルティーニ」のリーダーでピアノ奏者のトーマス・ローダーデールが、偶然に由紀さおりさんの古いアルバム『夜明けのスキャット』を、よく行く街のレコード・ショップで見つけその魅力に嵌ったことから、このコラボレーション企画が始まったことにも運命的なものを感じます。
世界各国での反響に対し、スタッフは、『1969』は素晴らしい作品と確信していたものの、発売直後から世界各国のチャートを賑わすことまでは想定外だったという。また、『上を向いて歩こう』(SUKIYAKI)のリリースから50年という節目の年である2011年に由紀さおり、そして、日本の歌謡曲が新たに世界の歌謡曲として、時空を超えて、羽ばたこうとしていることに感慨を覚えているという。テレビインタビューで由紀さおりさんは「J-POPと演歌の狭間で歌謡曲が埋没してしまっていたが、これを切っ掛けに長く培われてきた歌謡曲の良さが若い人達にも伝わってくれれば」と語られていました。ミニスカートにロングブーツの溌剌とした姿で歌っていた『夜明けのスキャット』そして『手紙』など、その美しい声と歌唱はデビュー以来余り変わっていない感じです。
11月7日には、USで『1969』がCD発売された。12月には、由紀さおりさんがロンドンに続き「ピンク・マルティーニ」の全米公演に参加することも決定している。【財経新聞】
また聴衆の「日本語は分からないけれども歌の心は伝わってくる」という声が印象的でした。YouTubeの時代になり音楽の世界はどんどん国境を越え始めているのを実感します。
![]() | 1969 |
クリエーター情報なし | |
EMIミュージックジャパン |
![]() | 夜明けのスキャット(紙ジャケット仕様) |
由紀さおり | |
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