僕が昨夏から作詞・作曲セミナーなどで教えて頂いている、作曲家で音楽プロデューサーの野口義修先生が連載されている宅録情報誌『SOUND DESIGNER』1月号のコラムに、期待通り由紀さおりさんとジャズ・オーケストラのピンク・マティーニがコラボレーションし、世界中の音楽チャートで話題となっているCDアルバム『1969』のことが書かれています。
アルバム『1969』がその年に世界で生まれた曲に焦点を合わせて制作されているので、当時の音楽(その中心的なロック)シーンで何が行われていたかということや、その後の変遷の模様が詳しくなぞられていて興味深く読めました。
また、由紀さおりさんの『夜明けのスキャット』(いずみたく作曲)と、サイモンとガーファンクルの『SOUND OF SILENCE』のイントロやコードが似ていること、またその曲想の違いも意味深く指摘されています。
僕的には今回の由紀さおりさんの現象は、従来の英語圏だけでポピュラー音楽の歴史が語られていたことに対し、YouTubeなどで自由に(そして時代を超えて)ワールドミュージックに触れられる現代を背景に、同年代の外国の優れた楽曲をもう一度感じ取り消化する中で歴史を再構築し、ポピュラー・ミュージックが新たなメロディーの復活を探り求め始めたのではないかと想像しています。
![]() | SOUND DESIGNER (サウンドデザイナー) 2012年 01月号 [雑誌] |
クリエーター情報なし | |
サウンド・デザイナー |
![]() | 1969 |
ピンク・マティーニ, Saori Yuki | |
EMIミュージックジャパン |