先日、卓球の女子日本選手権で福原愛さんが初の日本一になったことに関して、フォアハンドを強化したことが成果に繋がったということを書きました。事前にテレビの特集でそれを見て知っていたので、石川佳純選手との決勝に勝つという予想をしていました。
同じように全豪テニス大会での錦織圭選手ベスト8!の快挙も、NHK「アスリートの魂」の中で錦織選手がこれまでのプレースタイルの分析と反省から、それを大幅に変えて進化し成果に繋がっていることを知りました。今回は惜しくもベスト4には届きませんでしたが、そのスコア(3-6、3-6、1-6のストレート負け)ほどに差は無くて内容は接近していたことが言われています。相手のサービス・セットでのブレークポイントを10回も握ったのに、その内2回しかブレークできなかったことが大きな敗因でした。ここぞという時の集中力で未だ経験不足というところが出たということで、これから自分の戦い方に自信を付けていくことで相手を逆転できる可能性があると想います。
身長1.77Mの錦織選手が多くの1.9M以上の体力が勝る相手に対して、独自に編み出したのがエアーKといわれる華麗なジャンピング・ショットでした。しかし、いつも強い球を打とうと無理をしたり両足を地面に付けて打つより確実性に欠ける部分があり、上位との対戦で対策を講じられそれを封じ込められると、途中には怪我もありましたが段々とランキングを落とすことになりました。その反省から長いストロークでのラリーで相手のミスを誘い粘り勝つプレースタイルを基本にして、要所では隙を見て威力のあるエアーKも織り交ぜるという現在のテニスになったようです。
福原愛さんにも中国出身で日本に帰化した優秀なコーチが付いているように、どちらも冷静な分析に基づき判断ができるクレバーさと、それを信じて方向修正の努力を続けられる忍耐と意志の強さを兼ね備えているということです。方向修正というのは簡単には踏み切れないものですが、2人の成果が明るい希望となっているのはスポーツだけではないのではないでしょうか。
※ 1月31日の朝日新聞にスピード・スケートの清水宏保選手がコラムを寄せていましたが、錦織選手の22才という年齢は一番男性ホルモンが出て、強い骨格や筋肉が作られてくるので世界と戦えるレベルに入ったと書かれています。金メダリストの体験からきた言葉なので説得力がありました。本人も帰国会見で「グランドスラムで優勝したい」と落ち着いた口調で語っていました。