先週の日曜日午前のNHK「ビジネス新伝説 ルソンの壺」で、神戸市長田区にある予約利用が7割に上っているという、地域密着のアイデア・タクシー会社が採り上げられました。
兵庫県に認可されている営業エリアが50KMほどあるということですが、現在の営業範囲はわずか2KMという狭いエリアに絞り込まれ、多様なアイデアで長田地区の様々なニーズを掘り起こし、また新たなサービスの提案をして業績も大きくアップしているようです。興味深いのは平均年齢の高い従業員(ドライバー)の意識改革や、仕事へのやり甲斐と積極性が高まり好循環となってきていることでした。
神戸といえばスイーツが有名ですが、話題のケーキ屋を巡るスイーツ・タクシーでは、ドライバーが自分たちで独自の情報なども楽しそうに調べていました。折りからのお花見タクシーではドライバーが席取りまで請け負ってくれます。また高齢者や障害者のケア資格を持つドライバーが担当する病院やデイケア施設への送迎タクシーや、レトロで高級感のあるロンドンタクシーを購入してブライダル・ニーズに応えるなど、地域の企業や公共施設との提携によるユニークなサービスを次々に提供しています。
商店街と街興しについて綿密に協議しながら、相互に活性化できるスタイルを確立しつつあるのが、社長や従業員そして地域の人々の活気にありありと伺えました。以前に採り上げられた滋賀県甲賀市の住宅建築会社も小さなエリアに絞り込み、地域に密着したサービスの追求で大手のハウスメーカーを凌ぐ成果を上げていましたが、同じようなエリア発想の転換により新たな業態を作り出せる分野がまだ色々とありそうに感じました。