昼間はまだ残暑が厳しく感じられますが、さすがに朝夕はめっきり秋の気配が漂うようになりました。夜中に近くの自販機に清涼飲料などを買いに出た時に、いつしか途中の空き地の草むらからコオロギの声がしているのに気付きました。
先日マンションの近所にある、引き込もりの人達を支援するNPO法人が運営する「サポートスペース赤レンガ」を訪ね、そこに集う顔見知りのスタッフや利用者の人達と話をしていると、何処からか虫の声らしきものが聴こえてきました。
訝し気に僕が周りを探していると、スタッフのHさんが写真のプラケースを棚から持ち出して見せてくれました。それを覗くと鈴虫が数匹飼われていて、暫くして机上で落ち着くとリーンリーンと再び鳴き出しました。鈴虫とはいえ風情のある夜中の草むらとは違って、部屋の中で鳴いていると少し耳につくものです。日本人以外では秋の虫の音は騒音にしか聞こえないなどと言われますが、現代の日本人でも風流に聴こえるためには部屋の雰囲気が必要なのかも知れません。
「僕が子供の頃にはコオロギを獲ってくると、よくカボチャを半割にして種部をくり抜き、表に透明のセロファンを張った“家”を作って飼ったんですよ」
「まるで夢のお菓子の家みたいですね」ここの鈴虫には茄子の餌が2.3切れ入っていました。
※ 検索していたら石川県の山中温泉「こおろぎ楼」若女将のブログを見付けました。