「なら国際映画祭2012」のオープニングで赤い絨毯ならぬ石段を降りていた河瀬直美さんや、現在『夢売るふたり』(主演 : 松たか子)が上映中の西川美和さんなど、オリジナル脚本で個性的な作品作りをする監督が日本映画を盛り上げています。
沖縄市の中学生(仲村颯悟君)が2010年に『やぎの冒険』という映画を監督し、地元沖縄を皮切りに全国で上映され注目されたことを、本人に綿密に取材しその経緯を一冊に纏めた本を最近読みました。
小学生の頃から既にビデオカメラを手放さず、近所の遊び友達と一緒に5分・10分くらいの作品を作り始め、中学生になってからも専門雑誌に接して本格的に短編映画を撮っていた少年が、沖縄の映画企画のコンテストに応募し選ばれたことを切っ掛けに、大人のプロの映画人に交じって堂々と自分の映画作りをしていく姿を追っていきます。手作りの機材を工夫し友達とアイデアを出し合って試行錯誤してきた映画“遊び”で培われた感性が、プロデューサーやカメラマンそして俳優などプロ集団を納得させ、熱気と協力を引き出す様子が(まさにメイキングのように)楽しく描かれています。
これから映画監督として成長しどんな作品を見せてくれるのか、著者と一緒に見守っていきたい気持ちになりました。
![]() | 映画カントクは中学生! |
艸場 よしみ | |
汐文社 |
![]() | やぎの冒険【DVD】 |
仲村颯悟 監督 | |
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) |