千里山の仕出し屋食堂の「魚伊」にお昼ご飯を食べにいくと、座ったカウンターの目の前にカリンや柿と一緒にアケビの実が盛られて飾られていました。
カリンの実は一見美味しそうですが良い香りがするだけで食べられません(焼酎に漬けて果実酒にするようです)。千里山でも庭木として人気があり、黄色い実を付けてこの季節を彩ってくれる樹種の一つです。
アケビはどうしたのかと板前の新ちゃんと話しました。
「道の駅で買ったのではないかなぁ」
「ということはアケビを栽培している農家があるということですか?」
「イチジクやザクロのように、作ってるところが有るんじゃないかなぁ」
「僕も子供の頃は良く山に行って採って食べましたよ」
「竹竿の先を割って木の細枝を挟み、高いところのアケビを採ったなぁ」
「そうですね、僕は自分が見付けたアケビの生る場所を、絶対に誰にも教えなかったのを憶えています」
「まるで松茸と同じやなぁ」
「そう秘密の場所!」
僕が故郷を後にしてからもう数十年経ちますが、果たしてその後は誰の特別の場所になったのでしょうか。しかし最近の子供達は山の中にアケビなど採りに行かないのかも知れません。今度この季節に帰省した時には山に探しに行ってみたいと想います。