現パナソニックの創業者で「経営の神様」として尊敬された、松下幸之助さんの子供向け伝記本をちさと図書館で借りて読みました。
昨年、NHKで松下幸之助さん夫婦を描いたドラマ「神様の女房」3回シリーズが放送され、とても面白く評判となり僕は再放送も見ましたが、この伝記本はその辺りのエピソードともかなり被っていて一気に進みました。
幼少時代から小学校も中退し奉公にあがった境遇や、関東大震災に続くアメリカの株価暴落に端を発した世界大恐慌、そして第二次世界大戦という大きな苦難にも会いましたが、その人生は新しい生活価値を求めて日本や世界全体が活発に変革していた時代と重なっています。そういう意味では恵まれた企業家人生を謳歌された方という印象がありますが、もし現代に生きていたとすればこの閉塞状況をどう切り抜けていくのだろうと想わせられます。
松下幸之助さんが残された言葉で有名なものとしては、「水道哲学」とともに『PHP』があります。Peace、Happiness、prosperity(繁栄)の頭文字をとったもので、世界の平和も人々の幸福も繁栄あってのものという企業経営の信条を表したものとされています。その繁栄が1%の人達に占められようとしている、格差社会への傾向が見られる現在の世界の状況を、どのようなお気持ちで見られているのでしょうか。
折しもパナソニック・シャープ・ソニーなど家電業界は、円高デフレの現代において衰退していく業界と見られ始めています。松下幸之助さんなら何時ものように静かに黙考した後で、きっと解決策を見つけ出してくるのではないかと感じます。
※ 初めて興味を持つ分野の知識を得るため、先ずは子供向けの本を読むことを進めている人には、作家の司馬遼太郎さんや批評家の立花隆さんがいます。遅まきながら僕も最近ちさと図書館の小・中学生向けの本を楽しく活用しています。
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