続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

お正月。

2012-12-23 07:28:28 | 日常
♪もういくつ寝ると お正月~♪

 お正月には楽しい思い出がない。一升瓶を並べて枕元におく酒飲み三昧の父が目を覚まして暴言を吐くことが恐ろしくて、お正月が来ることを喜べなかった。

 正月四日には人の家のお酒目当てに年始に出かけて行く。後姿を見送るときの不安は言い難く、電話が来て迎えに行くこともしばしば・・・。歩けないほど酔った父を抱えて「さぁ」と声にならない声を出した冬の夜。
 
 死ぬまで酒ビンを放さなかった・・・。正月の四日、買い物から帰ると
「電話があって、おじいさんは救急車で運ばれたって」と、息子。
 足元不如意・・・バッタリ倒れて顔中血だらけ。一度や二度ではない惨事。

 父は何を考えていたのだろう。父は時々娘に対して「おじさんはね・・・」と話しかけていたけど、他人になりたかったのかな、しがらみと縁を切りたかったのかな・・・と思う。

 父親の顔を知らない夫は、こんな父でも大事にしてくれた。大工の棟梁だった義父が戦死さえしなかったら順風満帆の人生を進んだ夫は、こんな父とは無縁でいられたかもしれない。


 ろくでなしの父を持った娘と、父なしの息子。共に老い、二人きりのお正月を迎える。名もなく貧しい宴であっても、無風の心地良さだけで、十分なお正月。
 長男は顔くらいは見せてくれるかもしれないけれど、次男のほうは第二子出産のため里帰りするお嫁さんの実家へ直行。
 
 無難であれば、それで満足である。

『洞熊学校を卒業した三人』43。

2012-12-23 07:09:53 | 宮沢賢治
 それからは蜘蛛は、もう一生けん命であちこちに十も網をかけたり、夜も見はりをしたりしました。ところが諸君困ったことには腐敗したのだ。食物があんまりたまって、腐敗したのです。

☆千(たくさん)の衆(人々)で溢れている星の妙(不思議)、自由な妄(空想)や幻である。
 庶(数多くの)訓(字句の解釈)を混ぜ、普く拝(敬い尊重する)自記である。
 仏の譜(物事を系統的に書き記したもの)を拝(敬い尊敬している)。

『城』1133。

2012-12-23 06:36:51 | カフカ覚書
彼女は、すでにKの手からとりあげていた写真をつくづくとながめ、丁寧にしわや折れたところをのばし、枕の下にしまいこんだ。彼女の動作は、緩慢になっていたが、それは、疲れたせいでなく、思い出がつぎつぎにのしかかってくるためだった。

 とりあげる/fortgenommen→fortkommen/逃げる、去る。
 写真/Bild→Wilde/荒野。
 枕/Polster→Polarstern/北極星。
 
☆彼女はすでにKが逃れた荒野をつくづくながめ、北極星(現世と来世の転換点)の下にに転がした。興奮がゆっくり沸いてきた。それは疲労ではなく、記憶がつぎつぎに重くのしかかってくるためだった。