続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

それでも尚・・・。

2013-05-14 06:48:39 | 日常
 今朝、ゴミ集積場でHさんのご主人に会ったので、
「近ごろ奥さんをお見かけしませんけれど、お元気にしてらっしゃいますか」と声を掛けた。すると、
 目を瞑り、首を振り、手を左右に動かした。口をあけ何か言おうとしているけれど言葉にならない。声が出にくい・・・声帯がつぶれて発声に至らない様子。それでも何か言おうとしているのでしっかり口元を見ていると、
「今はもうダメです」と言い、指で頭を指し、それから手を顔の前で振って見せた。

 キレイでしゃきしゃきした奥さん、晴れやかに笑う姿が瞼に残っている。

 息子さんのお嫁さんはさらに飛び切りの美人だったけれど「嫁がね、わたしたちに手をついて『別れさせて下さい』って、泣いたのよ。いい男ができたのねぇ」とため息をついたころは、まだまだお元気で「頑張るわ、頑張るしかないわ」と言っていたのに。そう、もうあれから十余年・・・歳月は無常。


 年を重ねる、年を取る、枯れない花はない。いつか劣化し、錆びつき朽ち果てていく理の当然。

 わたし達はこの事実を身を持って受け止めていかなくてはならない。そういう年齢にきている。新興住宅地の住人は一緒に年を重ねている。

 慟哭・・・心のどこかで泣いているわたし。
「頑張るわ、頑張るしかない」と言っていたHさんの奥さん。あの呟きはそのままわたしの胸にこだまのように反響している。

『セロ弾きのゴーシュ』87。

2013-05-14 06:32:39 | 宮沢賢治
 すると野鼠のお母さんが泣きだしてしまひました。
「あゝこの児はどうせ病気になるならもっと早くなればよかった。さっきまであれ位ごうごうと鳴らしておいでになったのに、病気になるといっしょにぴたっと音がとまってもうあとはいくらおねがひしても鳴らしてくださらないなんて。何てふしあはせな子どもだろう。」


☆野(区分したそれぞれの範囲)を組(くみ立てる)簿(ノート)で、究(つきつめる)語(言葉)は、平(平等)を記している。
 挿(差し挟む)の意(内容)である冥(死後の世界)、平(平等)である鬼(死者)が隠れている。
 命(天の定め)である果(結末)である死。

『城』1271。

2013-05-14 06:03:02 | カフカ覚書
「あなたの事件の決裁がひどく遅れたりすると、あなたはとんでもないことを自分の一存でやりだしかねない、と村長さんは気にしておられるのです。わたし自身は、村長さんがなぜそんな心配をなさるのか知りません。あなたには、なんでもしたいようにさせておくのがいちばんよいというのが、わたしの意見でしてね。

 決裁/Entscheidung→Ende scheidung/氏、区別する。
 知りません/Teil weiss→Teil weise/区分、分別のある。

☆死を区別することが遅れたりすると、あなたは(状況を)無視して独断でやりかねないと村長(死への第一の門)さんは気にしておられるのです。分別のある区分ではありません。あなたが望むことをするのが一番よいというのが、わたしの意見です。