続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『テーブルにつく男』

2016-01-04 07:11:09 | 美術ノート

 亡くなった時にイーゼルにかけられていた未完成の下書き。
 首(頭部)のない着衣のみの男、テーブルの上には本が置いてあり、その本の上には切断された左手が乗っている。背後には◇や〇の模様の壁紙がうっすら描かれている。

 本の上に乗せられた手、これは禁止であり、《決して開けてはならない》という命令である。本は《マグリットの世界》の暗示ではないか、《わたしを解釈することは許さない》という。

 男の頭部がない。描かれていないが、《頭部(マグリットの世界観)=本》だと推測する。

 頭部を被ったり、リンゴに置換したり、頭部(顔面)を外したり・・・、頭部は司令塔であるとともに情報収集・発信の基地であり、強い思い込み、否定、肯定の巡廻路を外せば思い悩むことも霧消する《場》である。

 さまざまな構築・破壊・告発を描いたマグリットの頭脳(発信基地)を、静かに外して一冊の本のなかに閉じこめ、その上に禁止の刻印を押したのではないか。
 背後の◇や〇の模様は、誉れであり傷痕であるような社会の通念との混濁、人為的に刻まれた精神の表象であり、肉体を失くした霊界の刻印である。

 (もうすぐ・・・)死の予感に圧されながら描いたスケッチは、遺言とも思える。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』187。

2016-01-04 06:08:15 | 宮沢賢治

二人は、その白い岩の上を、一生懸命におくrないように走りました。そしてほんたうに、風のやうに走れたのです。息も切れず膝もあつくなりませんでした。


☆普く腎(要)に迫(近づくこと)を願う。
  照(あまねく光があたる=平等)が逸(隠れている)章(文章)の妙(ふしぎ)は、鬼(死者)の赦(罪や過ちを許す)葬(死者への儀式)である。
  普く双(ふたつ)を束ね接(つなぐ)質(内容)である。


『城』2192。

2016-01-04 06:00:48 | カフカ覚書

もちろん、バルナバスは、こうしたことをすべて観察している暇がたっぷりあるのです。と言いますのは、クラムの眼にとまるまで、この見物席で何時間も、ときによると何日間も待っていなくてはならなからです。


☆もちろん、バルナバス(生死の転換点)は、すべてを観察する十分な時間があります。と言いますのはクラム(氏族)の眼識を下すまで、この見物席で、時にはたくさんの汚点により、その死期を、幾日も待っていなくてhならないからです。