続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『星座』

2016-01-12 07:33:02 | 美術ノート

 『星座』と題された作品に星座らしきものは描かれていない。そもそも星座とは、人の眼差しが空を見上げて創った空想の産物である。

 神話によって描かれた空の物語を地上の人が追想する天と地との融合は、大いなる宇宙空間を所有するという人智である。
 自然を名づけることで、心理的支配下に置くという優位。

 あるがままの自然(星の配置)を、夢想することで異世界に結びつける。人の思惑が想像した世界は、人の生活する社会にまで影響を与える。心を動かされた人たちはその教えに生きる糧を見いだしていく。
 『星座』における人智の空想は、地上の人の渾沌を救う。
 
 天空に張られた天幕、オリーブの葉と鳩、自然の樹木を凌駕する落下(死)の葉の変容・・・人の視界は低くそれらは手の届かない至高に位置している。雲に被われた空には本当の空が見えない。


 『星座』、人の空想が天空に異世界を創っている。
 地上の人も、ある種の空想により、圧を受けてはいないだろうか。
 この作品を見る時にはどうしても、なぜか・・・視線を低くし、権威の象徴のような巨大な天幕を見上げてしまうのである。

 『星座』に酷似した地上界を皮肉な眼差しを見ているマグリットが見える。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』195。

2016-01-12 06:40:00 | 宮沢賢治

「それはいいね。この汽車は、じっさい、どこまででも行きますぜ。」
「あなたはどこへ行くんです。」カンパネルラが、いきなり、喧嘩のやうにたづねましたので、ジョバンニは思はずわらひました。すると、向ふの席に居た、尖った帽子をかぶり、大きな鍵を腰に下げた人も、ちらっとこっちを見てわらひましたので、カンパネルラも、つい顔を赤くして笑ひだしてしまひました。ところがその人は別に怒ったでもなく、頬をぴくぴくしながら返事しました。


☆鬼(死者)の赦(罪や過ちを許す)講(はなし)である。
  考えを兼ね(重複させ)加える講(はなし)の析(わける)拠(拠り所)を宣(述べる)。
  謀(はかりごと)の詞(ことば)は題(テーマ)を兼ねている。
  要(かなめ)の化(形、性質を変えて別のものになる)の図りごとを現わし、信仰の釈(意味を解き明かす)。
  章(文章)を任(委ねられたこと)を瞥(ちらりと見て)努(力を尽くす)。
  教(神仏のおしえ)を遍(もれなくいきわたらせる)辞(ことば)がある。


『城』2200。

2016-01-12 06:24:57 | カフカ覚書

だけど、つぎには、手紙がどういうものか、たとえば、あなたあてのてがみがどういうものか、それをお話ししましょう。バルナバスは、こうした手紙を直接くらむから受けとるのでゃなく、書記からもらうのです。いつでもいいんですが、ある任意の日の任意の時刻にー


☆詞か新柄、その手紙をどう止めたらいいのか、たとえば、あなたあての手紙がどういうものか、彼はこういう手紙(通告)を直接、クラム(氏族)から手に入れるのではなく、書いたものから判別するのです。任意の日の任意の時刻にー
《任意の日の任意の時刻・・・Xデイ、城≒終末/死の通告を受けるバルナバス(生死の転換点)》