続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『エルシノア』

2016-01-30 07:33:40 | 美術ノート

 『エルシノア』
 生い茂った森(緑)を人為的にカットし、城郭の形を想起させている。地面はやわらかな若草のようにも見えるが、空は奇妙に白っぽく上部は紫いろに変化し、隙間からわずかに青空がのぞいてる。空と大地の境界はブルー、つまり海を暗示しているのかもしれない。

 この景を『エルシノア』と称している。エルシノアとは何だろう。
 幻の城郭、森のように見える内部があるのに対し、外観は薄っぺらな一枚の面でしかない。窓(開口部)から覗くのは外部の空と同じであれば、立体的な建屋でないことは明明白白、一枚の平面である。

 作品の中央部に目を凝らせば深い森であり、全体を見渡せば切り取られた城郭に見える。物見やぐらの開口部ということは、こちらを疑心暗鬼に見張る眼差しを想像させるに足りるものであるが、そこには外部(空)と共通した虚空が見えるばかり、建屋全体が虚構なのである。


 見えるものは幻の虚構である。
 城郭は真に城郭であるのか、城郭(権威)は風に揺れる葦のような儚いものではないか。
 強固に見える、そのことでさえ、実は疑わしいのではないか。

 マグリットは、その眼差しを問う。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』212。

2016-01-30 06:19:19 | 宮沢賢治

「も少しおあがりなさい。」鳥捕りがまた包みを出しました。ジョバンニは、もっとたべたかったのですけれども、
「えゝ、ありがたう。」と云って遠慮しましたら、鳥捕りは、こんどは向ふの席の、鍵をもった人に出しました。

☆照(あまねく光があたる=平等)の帖(書付)を保ち、法(神仏の教え)を推しはかる運(めぐりあわせ)である。
  掩(覆い隠した)慮(考え)を重ねた講(はなし)である。
  析(分けること)を兼ねる図りごとを遂(やりとげる)。


『城』2217。

2016-01-30 06:04:41 | カフカ覚書

どんなにつまらぬものでも、あんたがひとつひとつ自分で戦いとっていかなくてはならないということよ。それは、あんたが誇りを高くする理由にこそなれ、へこたれてしまう理由にはならないわ。


☆氏族の一人一人が戦い取るべきなのよ。むしろ誇りを持って、決して打倒されてはならないわ。